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第66話 広報が見学に
家政婦さん達に、生活トレーナーになって欲しいと話をしたら、
「まあ〜どうしましょう?」と皆絶句していた。
そして買ってきた高級ライフの雑誌を1冊ずつ渡して見てもらった。
「あ、これたまに私も見ますね」と二人が言った。
「でもどれも高級すぎて縁がないものですけどね」と良子さん。
「いえいえ、皆さんがこの雑誌に出るんですよ」俺。
「は?」___また絶句していた。
それで1つ1つ丁寧に説明。
自覚のない立花家のブランド価値を教えた。
ピンとこないようだけどね。
中にいると分からないよね。
しかし、カメラマンと編集者はすぐ見つかった。
そして撮影するならスタイリストがいるそうで、一緒に来てもらった。
もちろん、大谷梨々子さんの紹介だよ。
彼女しか無理だもん。
「ええ?すごーい!」と梨々子さんに喜ばれた。
「めちゃくちゃうれしい!一生の記念になります」だって。
それほどじゃないと思うけどね。
だって彼女はあっちこっち雑誌に出てるもんな。
しかし、高級路線なら梨々子さんのお得意だろう。
それで早速家政婦さん達にも協力してもらって、本家を撮影してもらった。
そして手入れ前の蔵と井戸も撮影していた。
あとは食器や漆器、まだ展示前だから全部見て貰えた。
編集者は「すごいですねえ、素敵!」の連発だった。
ただし、「料理の撮影はスケジュールを決めましょう」とのことだ。
料理と食器と季節などいろいろ考えるそうで、もう完全に契約することにした。
今後は3年間も追ってお世話になるんだ。
家政婦さん達も美容院に行ったり、メイクしたり、洋服を整えたりだ。
俺が婦人たちのことまで分かるわけがない。
全部お任せでお願いした。
それにしても、颯太が「うれしい」と言ってくれた。
「俺の実家や家政婦さん達が雑誌に出るなんて、俺すごくうれしいよ。
ねえ、俺と先生は出るの?」
「うん。多分ね。小林さんも出るよ。でもこれは内緒だけどね」
ふふと笑っていた。
*
そして今度は広報スタッフに財団の協力をお願いした。
「え?私達も財団のお仕事をさせていただけるんですか?」だって。
うれしそうに顔がパッと華やいだ。
「実はね、まだ社長にも言ってないから内緒だよ。
でも広報ごと派遣してもらって、財団の仕事と颯太の仕事と両方をやってほしいと思ってるんだよ。
だから、場所も財団の事務所ね」
「あのう、それ何人が行っていいんですか?」と田代君。
「そうなんだよねえ。俺としては全員欲しいんだよ。でもそれは許されないよねえ?」
「いやあ〜……、広報に新人を入れれば、いいだけなんですよねえ……」と山下さん。
「そもそも、加納課長が電話番をしていただければ、
あとはパソコンで済むんだから、
私達の場所が財団の事務所になってもいいような気がするんですね」と岡本さん。
笑っちゃ悪いんだけど、課長が完全に電話番になってるな。
「それで具体的には財団の仕事って何があるんですか?
私達、何も聞いていなくて知らないんですよ」と小松さん。
「ああ、そうだねえ。まだ初めの段階でほとんど決まっていないからね。
じゃあちょっと説明しようか?」
そしてプリントを見せて、かつ敷地の図面も見せて、建物を建てる場所を教えた。
「なんか大きさのイメージが湧かないんですよ。
今度皆で敷地を見せてもらいに行こうか?内緒で」と山下さん。
「賛成!」と小さな声が揃った。
今度の土曜日に見に来るそうだ。
わあ、どうしよう。加納課長はどうしようか?
まあいいか、放っておこう。
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