67 / 81
第67話 広報が見つけた宝の山
そして土曜日にやってきた広報の5人組。
本家に着くと、皆ぽか〜んとしていた。
そうそう、みんな反応は同じだよ。
小林さんと家政婦さん達が迎えてくれた。
由紀さんのカレーもあるそうだ。
そして敷地を見てもらった。
道路側はずっと高い壁になっているので、
内側の庭と一旦外に出て壁側をずっと歩いていた。
「この辺ね、大きい声では言えないんだけど、
数件はうちに譲ってくれることになってるんだよ」と俺。
「すごいじゃないですか!何を作るんですか?」と石井君。
「それがまだ全然未定なんだよ」
そして、井戸と蔵に感動していた。
「本当に歴史が凄いです」と石井君。
それから雑誌を作って発売したいと伝えると、みんな乗り気だった。
やっぱりそこは広報なんだよ。
「私達も仲間に入れてください」と山下さん。
そして買ってきた雑誌を見せると、
「ぴったりです!」と言うので、
「本当にそう思いますか?私達も出るんですよ。
おかしくないですか?」と由紀さん。
皆がううんと一斉に首を振った。
ちょっと揃ってて面白い。
「どこがおかしいんですか?その方が分からないです。すごく合ってますよ」と田代君。
家政婦さん達はそれでもすっきりしない表情だった。
「実はね、今回は大赤字なんだよ。予算が凄く膨れ上がっててね。
それをどう回収しようかと悩んでいるんだよね」と俺。
「あのう……それ私達も考えていいですか?」と小松さん。
「あ、いいよ。なんかいいアイデアがある?」
「僕はですね、ここが素晴らしいガーデンになるなら、
土地が広いから宿泊施設を作ったらいいと思います。
だってバルコニーから庭を眺めながら食事したり、
お茶が出来たら最高じゃないですか?
夜は庭をライトアップすれば、ここしかない景色になりますしね。
それに……ちょっと待ってください。計算してみましょうか?」と田代くん。
携帯を取り出した。
「あ、私が計算するから言って」と岡本さん。
「じゃあ、あまり背が高いのは目障りになるから、
せいぜい2階建ての6室くらいかな?ツインで4万でどうかな?
それに夜は最低2時間は庭をライトアップしないとねえ」と田代君。
「食事はどうするの?」と岡本さん。
「朝は簡単な奴で洋食ならバスケットに入れて渡すか、松花堂弁当で渡す。これで2000円かな」と田代君。
「じゃあ夕食は?」と岡本さん。
「う〜ん。レストランがないから、
配達で松花堂弁当+デザートセットで4000円かな?」と田代君。
「じゃあ、計算するよ……はい出ました!
年間5000万から6000万の収益ですね!」と岡本さん。
驚いて、思わず小林さんの顔を見た!
「すごいねえ。それじゃ、やらないと駄目ですねえ」と小林さん。
「あのう、なんか足りない気がするんですよ。この施設は」と山下さん。
「うん、私もそう思う」と岡本さん。
「うん?何が足りないの?」と俺。
「女心をくすぐる物がないんですよ」
「そうそう、せっかく美しい花があるのに、
爪をきれいにマニキュアしてもらうとか、美容エステですね」と山下さん。
「それもいいけどさ、高いから、今流行ってるのはセルフエステだよ。
使いたい放題で月額5000円でもいいのかなあ?」と小松さん。
「良いねえ、花を見ながらきれいになるって、最高だよ!」と山下さん。
思わず小林さんの顔を見た。
ニヤニヤしていた。
「ねえ、悪いけど今のをプリントしてくれない?
今パソコンを持ってくるからさ」と俺。
「ああ、院長、私が持ってきますよ」小林さんが取りに行ってくれた。
そして今聞いたことを全部打ってくれた。
「あのう外の土地がもらえるってことでしたよね?そしたら、駐車場は必須ですよね?
宿泊客はほとんどが車で来ると思うので、
駐車場は予約で押さえておかないと苦情になりますよ。
それに美容エステってお金のある人がやるんでしょう?
そしたら、そっちの方も予約だから、駐車場もないと多分怒りますよ」と石井君。
苦笑した。
もうこれで1つの土地は駐車場にしないといけないことになった。
ともだちにシェアしよう!

