74 / 81
第74話 アニメプラスと業務提携
桐生社長と夏さんに時間をいただき、山川弁護士と伺った。
浅田タワー9階、会議室。
「広報の件で伺いました。実は、あの5人は近々ミツワ未来財団に移動します」
「え?どういうことですか?」と桐生社長。
「颯太が財団を立ち上げまして、そこで社会事業を始めるんです。
広報の仕事も、今後は財団で一括して行う予定です。
そして今回のファングッズや問い合わせ対応も、財団で受けられます」
資料を渡すと、夏さんが目を丸くした。
「また大きな規模ですね……。これは助かりますよ、桐生さん」
「はい、ぜひお願いしたいです。広報は本当に手が回らなくて」
山川弁護士が続けた。
「業務提携の契約案を作ってきました。人件費はアニメプラス側に負担していただく形です」
「もちろんです。こちらとしても大助かりです」と桐生社長。
「それと、財団の敷地に倉庫を作ります。グッズの在庫管理も任せてください」
「いやあ、立花さんだけですよ、港区で倉庫を建てられるのは」
と桐生社長が笑った。
「では、問い合わせ・在庫管理・販売・発送は財団で。
こちらとしては大歓迎です」と夏さん。
「ありがとうございます。財団にも小さなホールがありますので、
将来イベントなどでご協力いただければ嬉しいです」
「もちろんです。素晴らしい事業ですから、ぜひ協力させてください」
ようやく肩の荷が降りてミツワに戻った。
早速、広報に教えないといけない。
電話して呼んだ。
山川さんも楽しみに一緒に待っていた。
「失礼します」
ニヤニヤして7人が入ってきた。
ニューフェイスか?
「あのう、実は社長の計らいで、今から新人を入れると時間がかかりそうだからと、
営業から2名、先に回してくれたんですよ」
と山下さん。
「そうなの?すごいじゃない!」
その二人もにこにこしていた。
「自己紹介させてください。八坂拓也と申します。どうぞよろしくお願いします」
なんだかにこやかな青年だった。さすが営業。
「私は山辺日奈子と申します。颯太さんのファンです。どうぞよろしくお願いします」
これまた愛想が良いな。20代の初めか?
「はいはい、ようこそ来てくれました。医療顧問の立花陽一です。どうぞよろしくお願いします」
山川さんを見た。
「あ、私が弁護士の山川です。財団の仕事をします。よろしくね」
「それにしても良かったじゃない。
じゃあ、あまり引き継ぎってしなくてもいいのかな?」と俺。
「いえいえ、そういうわけにはいかないのですが、
優秀な二人なので、引継ぎの中には財団のことも盛り込んで、共有しようと思っています」
と岡本さん。
「ああ、それはいいね。
アニメプラスの件だけど、業務提携をしてもらう方向です。
今、契約書を確認してもらっています。
今後はパートやバイトを採用して、グッズの管理や販売、在庫管理などをやってもらいましょう。
それと、生家のそばの取得した土地に、グッズのための倉庫を建てようと思います。
そこでパートさん達に仕事をしてもらいましょう」
「はい、承知しました」
と声が揃った。
「営業からだと、自分から希望したの?」と二人に聞いた。
「いえいえ、そんな恐ろしいことは出来ないですよ。
指示により、参りました」と山辺さん。面白い。
「八坂君はどうなの?」
「僕は、誰にしようかなあ?と課長がぐるっと社内を見回した時に、
必死に目で訴えたんです。だから目力ですね」と八坂君。
これまたちょっと笑った。
面白い。確かに目は大きいよ。
「ふ~ん、やはり広報が良いと思ってたの?」
「いや、先生。私達、社内からすごくうらやましがられてるんですよ」
と岡本さん。
「へえ、なんで?」
「だって楽しそうだって、みんなから言われるんです。
まあ、そうなんですけど」
と石井君。
「わかった。とにかく、加納課長もホッとされてますね。
助かったよ。俺、悪くてさ。来てくれて本当にありがとうね」
「はーい」
そして戻って行った。
「先生、この会社って面白いですよね?」
と山川さん。
「なんで?」
「なんか正直でユニークでいいですよ。分かりやすいし」
にんまりとしてしまった。
ともだちにシェアしよう!

