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第79話 頼もしいプロたち
翌日、ミツワに出勤した。
借地の契約書については、山川弁護士がすぐに用意してくれるとのことだった。
良いねえ、仕事のある人は……。
俺もやることがいっぱいあるはずなのに、なんだか置いてけぼりな気がして寂しい。
そんな中、小林さんからメールが来た。
未来さんはすでに掃除道具を抱え、新しいスタッフ達と生家へ挨拶に行ったそうだ。
今日から家中を掃除して必要なものをチェックし、明日には荷物を運び込むという。
未来さんも今後はここに住むとのことだった。
新たに事務所が建ったらそこに引っ越すが、設計図が命なので、
工事期間中も家を空っぽにはできないのだそうだ。
なるほど、すごい覚悟だ。
その日の午後、山川弁護士と生家へ向かった。
そして裏道の家へ足を運ぶと、頭にタオルを巻いた未来さんが出て来た。
「あ、どうもすみません。早速いらしていただいて。みんなを紹介しますね」
皆さんが揃っていた。みんな若い。七人が揃って自己紹介をしてくれた。
「安井です」「三坂です」「星野です」「綾野です」「四宮です」「泉です」「日比野です」
「皆さん、若いですねえ……あれ? 七人ですか?」
「そうなんですよ。前々から目星をつけていたんですが、
ミニチュアを作る天才だと思っている日比野さんです。
今回はスカウトしてきてもらいました。
みんなそれぞれが精鋭スタッフなので、よく来てくれたと思っているんですよ」
「へえ~それは良かった。何か必要なものはないですか?
逆にお聞きしたいんですよ。工事現場の皆さんに何を用意すればいいですか?
必要なものは一階に置いておきます。二階にも何かあれば教えてください」
「ええっ、いいんですか? では早速メモしてもいいですか?」
「というか、勝手に用意してもらって、あとで明細をください。お任せしますよ」と俺。
「うわあ……」
皆さんの声が揃った。
「本当にマジで太っ腹ですねえ……初めてですよ、こんなところは」と日比野さんが驚いている。
なんだかニヤけてしまった。
「じゃあ、借地契約書を持ってきたので、未来さん、見ていただけますか?」と山川弁護士。
「はい、かしこまりました」
そこへ小林さんが何やら抱えてやって来た。
「おお、いらしてましたか。うちの家政婦さん達から、おにぎりの差し入れですよ。
良かったら召し上がってください」
「うお~!」と歓声が上がった。
お茶におにぎり各種、お漬物と果物。焼き菓子まである。
「すごいなあ……もう贅沢の極致ですよ」と未来さん。
その翌日、引っ越しを済ませた彼らは、どんどん業者を呼んで打ち合わせを始めた。
翌週からは本格的に庭の掘り返しが始まった。早い!
そして仮の駐車場として、道向かいの家の周りを囲い、解体が始まった。
そんな中、「至急、生家の仮住まいを探してほしい」と未来さんから相談を受けた。
協議の結果、道向かいの150坪の家に住むことになった。
そうと決まったら、さらに引っ越し作業が始まる。
てんやわんやの片付けが始まった。
運転手の横森さんは、とりあえず軽トラを借りてきたそうだ。
家が大きいだけに、荷物の量が半端ではない。俺も手伝いに行った。
「すみませんが、颯太様のお荷物はどうしましょうか?」と由紀さん。
颯太にメールすると、「今行くよ」と返事が来た。
颯太は生家のひっくり返ったような荷物の山を見て、少し引いたようだ。(笑)
「あのさ、俺、要るものだけ分けるから、あとは処分してくれますか?」
はは、絶対そう言うと思ってたよ。
それから颯太の荷物を片付けるのを手伝った。
俺の実家に運んだのがすべてだと思っていたら、まだこんなに残したままだったとは。迷惑だなあ。
しかし、颯太の荷物は最終的に段ボール一個にまとまった。良し!
処分品が山のように溜まったので業者を呼んだが、
一体何台来ればいいんだ?
……それは知らない。
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