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第6話 知恵(ヂーフェイ)1
『日本租界は安全です。円は少々弱いかもしれませんが、でもほとんど日本人なので人情味あふれる街です。
それでいて異国情緒も味わえる格好の場所。松杉を植えろとまではいいませんが、ぜひ一度その目で上海をごらんになってみてください』
そんなふうに書かれた原稿用紙を、自分で書いておきながら『ふんっ』と鼻を鳴らす。
「なんて書いたの?」
星宇が後ろから覗き込んで、日本語で書かれた紙に首を傾げた。
「素晴らしい上海、素晴らしい日本租界を皆様味わってみませんか、みたいなこと」
それを聞いて声を出して笑って星宇は元いた所に戻り、足を開いて壁に寄りかかる。
スリットの入った前部分で、股間は隠してはいたが。
「そんなんで日本人来るのか?」
さっき買ってきた饅頭を食べながら、尻っぺたをポリポリとかく星宇を見て
「もう少し品のある態度を取れ。俺の前で大股開いても何も起こらんぞ」
愁一は今の原稿用紙を封筒に入れて立ち上がった。
「これ出してくるわ。お前もそろそろ仕事の準備くらいしたらいいんじゃねえの?俺なんか誘ってねえで。そろそろ4時だぞ」
「誘ってません〜〜〜」
舌を出してベーッとする星宇に、愁一は嫌な笑いをしながら上着を羽織って部屋を出る。
裏口に向かう階段を降りていると、一階はまたなんか大騒ぎをしていた。
「あ!先生!捕まえて!」
「え?」
と思う間もなく階段を降り切った愁一に今や体当たりをせんばかりの距離に少年が居た。
「おっとっ!なんだどうした?」
暴れる少年を抱き止めて、両手を手首で掴み上げていると、そこに女将が走ってくる。
「さっき売りにきたんだけどね、器量がいいから買い取ったはいいけどもう暴れっぷりが凄くて」
愁一に釣り上げられている少年は、気まずそうに女将を見るがいまだに手を離せと言わんばかりに身を捩り続けていて、愁一はその少年の顎を掴んで上向かせた。
一米73ほどの愁一は、そう小さくもないが馬鹿みたいにデカくもない。
ただ一米57程度少年には大人に映ったのだろう、一気に動きが止まり掴まれた顎に恐怖の顔が浮かぶ。
「お前はもう金で買われた身なんだよ。暴れて逃げ出したって追ってはつくし、外に出たらもっと怖い人間もいるぞ。大人しく風呂入ってここの人に従ってろ」
そう言いつつじっくり顔を見てみると、女将が言うように色白の美少年と言ってもいいほどの顔立ちをしていた。
「ほんとに上玉だな、女将」
「でしょう?見た目がこれだけの子は中々いないよ。でもねえ…こんな暴れん坊じゃあ店に出せるかどうか…」
【言葉がわからないのか?】
日本語で話しかけてみると、顔が上がり
【中国語もわかるけど…ここで働くの嫌だ…】
「言葉はどっちもできそうだな。ここで働くの嫌って言うんなら、女将が出した金返せばいいよ。女将、いくらだ?」
「30元だよ。見た目いいからってボラれたけど、まあ確かに器量が良かったからね」
「30だとよ。高えなお前」
結構大金だ。金額を聞いて少年は黙り込みおとなしくなった。
「お前がそれだけ稼げるやつだって、プロからの太鼓判なんだよ。返せねえなら働いて返せ。お前ならすぐ返せるだろ」
顎を強く掴んで再び顔を上げさせて問いただす。
少年はもう諦めた顔をして目を落とし、体の力を抜いた。
「いいか?もう暴れんなよ。手離すからな」
言い聞かせて愁一は手を離し、念の為に肩を押さえ込んだ。が、少年はもう暴れるそぶりもなかった。
「全く、手間がかかるったら。所でせんせ、この子洗い終わったら先生に預けますけど、お出かけですかね」
「ちょっとこれ出しに行くだけだからすぐに戻るよ。戻ってなかったら星宇に預けておいてくれ。暴れるかもと言っておけばあいつなら止められるから」
封筒を振って裏口に向かう愁一を見ながら、女将は『あいよ』と言って少年の腕を掴んで奥へ戻っていく。
「俺から買わないからこんな目に遭うんだぞ」
奥に向かってそう言うと
「だったら上玉連れてきてくださいよ〜せんせ」
と返されて、最近こっちの仕事を疎かにしていたことに気づいて、それもそうだったと肩をすくめて店を出て行った。
戻るといつもの勉強部屋の入り口に星宇 が胡座をかいて中を見張っていて、さっきの少年は布団の上にやはりあぐらを書いていた。
「暴れたか?」
「いや?おとなしいもんだったよ。甘い飲み物あげたらすごい勢いで飲んでた。俺またもらってくるからすぐ始めないでいて」
愁一と交代で、星宇は台所へと向かった。
「諦めついたのか?」
愁一が話しながら部屋へ入るが、少年はそっぽを向いてそれには応えない。
「日本人か?」
それにはこくんと頷いた。いや…それは嘘だな、とすぐに思う。
「なんで中国語わかるんだ?」
またそっぽを向いたが、愁一は布団まで這い上がって行き少年の肩を抱く。
「まあいっか。今からお前はここで俺に男同士のやり方を教わるんだけどな、そんな冷たい態度じゃ俺の態度もそれ相応になっちまうぞ?」
いいのか?と顎に当てた指で自分に向かせると、色素の薄い茶色の瞳と目が合った。
本当に綺麗な目をしていた。してはいたが、この目を愁一は知っている。
もう少し確かめる必要があったから、今は言わないでおくことにした。
着せられたチャンパオの下の素足を晒し、膝を撫で、そこから太ももの脇から後ろへと指を這わせてゆく。
少年はビクッと身体を震わせはしたが、その後の反応は怖がっている反応には愁一には見えなかった。
「あーもう!始めんなって言っただろ。水分補給が先だよ」
星宇 が戻ってきて、湯呑みの甘いのだろう白湯を差し出してくる。
少し酔いかけていた少年はハッと我に帰り愁一に預けていた身を起きあがらせると、やはり喉が渇いていたのは本当らしく、星宇が持ってきた2つの茶碗の湯を飲み干してしまった。
「これから汗もかくでしょうからねえ、これで大丈夫ですねえ。ゆっくりお楽しみを」
にしし、と面白い顔で笑って、星宇はお客対応の襖の閉め方で最後までニヤニヤ顔を愁一に向けながらパタっと閉めていった。
「なんだあいつ」
苦笑した愁一は、また引き寄せると再び足を強引に開き
「じゃあ続き」
と耳元で伝えて、指先を太ももの後ろに回しゆっくりと尻まで這わせてその丸みを堪能する。
「いい尻だな」
撫でながら後ろ向きに膝に乗せてしまったので、さっきの星宇のようにチャンパオの前側で股間を隠すような格好で足を開かされている。
「あ、それからさー」
星宇が、大股開きを正面から見る形で再び現れ
愁一がなんなんだよ!と言う前に
「その子『知恵 』だって。最中に名前ないと不便だろうと思って。さっき言い忘れてごめんね〜。ではごゆっくり」
またあの顔で襖を閉めて、星宇は今度こそ引っ込んだ。
「騒がしいやつだなほんとに!」
少し気を逸らされたが、今の愁一は冷静だった。
何かを確かめるように指を這わせ、反応をひとつひとつ確認をしている。
こんな大股開きをされていたところに星宇がきても、ヂーフェイは動じなかった。それも確認事項。
「ここに、俺が入るんだけど…怖いか?」
愁一の肩に頭を預けているヂーフェイは、思いついたようにコクっとうなづき蕾に触れられた瞬間脚を締めようとする。
『そこ』の感触も確かめて、内心『なるほど…』とつぶやいた。
「まだ半分だけど、これが入るんだが…そりゃ怖いよな」
ヂーフェイを右の足に乗せ直し、愁一は半分だけ反応した自分のものを握らせる。
ヂーフェイは触れた物の感触に身体を震わせた。規格外というほどではないが、そこまで小ぶりでもないものに触れて怖さが増したか。
その反応も愁一は冷静に観察する。
「大丈夫。さっきも風呂でだいぶ解されただろうし、ふのりもある。そんな急に突っ込んだりしねえから…ゆっくりいこうな」
言いながらヂーフェイの前にも手を伸ばし、こちらはもう勃ち切ったものを優しく扱いてやる。
そうされた瞬間にヂーフェイの喉が反れ、片手で支えるのは難しくなったのか、愁一は布団へとヂーフェイを横たえた。
チャンパオの前を端に避けて、へそに口を寄せると身体がまた震える。
『反応が一々初々しくねえんだよなあ…』ずっとそう感じながら、肌へ唇を這わせ、中心部の陰茎へも唇を寄せた。
腰をビクンと跳ね上げて、ヂーフェイは恥ずかしそうに脚を閉じようとしたが、
「客にされることを全部しないと、ここで俺にされてる意味がねえから」
優しく言って、まだ柔らかい草を感じながら口に含む。
「あ…」
『ま〜気持ちよさそうな声出しちゃって』上目で顔を確認しながら上下に頭を動かすと、小刻みな声がもれてくる。恥ずかしいけれど受け入れなければ…という健気な態度に見えなくもないが、そこはどうだろうか…。
それからも愁一は色々試しながら反応を確認して行き、
「じゃあ、挿れるから…きつかったら上擦ってもいいからな」
ヂーフェイの両脚を抱え上げ、ふのりを塗り込んだところに先をあてがう。
身体は震えているが、肌の熱さが期待をしているようで、そこにも気付きながら愁一は身をすすめた。
「んっうっぐぅっ」
きつそうな声をあげ、喉がそれる。
耐え難い苦痛に耐える顔つきをして、その口元を右手で覆い眉間に皺を寄せているヂーフェイは、どうにも扇情的で色っぽく男をそそってくる。
ヂーフェイの中心にも手を添えると、またしても声が上がり腰が緩やかに動き出した。
『これは…経験者だ…。経験者でもいいんだがなぜ初めての振りを…』それを考えると怪しさしか出てこなくなる。
最初に触れた膝は、丸みを確かめていた。日本人は膝が丸い。中国では比較的イスに座ることが多く、床でも胡座だ。
何度か確かめたが、ヂーフェイの膝は丸くはなかった。そして後ろに触れた時も、未経験者は…ましてこんな若い子供ならば固く閉じて、指の一本も入れるのがしんどいほどだが、ヂーフェイはすんなりと受け入れた。
しかもそこの形状がもう素人ではないし、この扇情的な色っぽさ。これは一朝一夕では身につかない。
そして多分だが…15.6ではない。19…もしくは20歳は行ってるかなりの手練れだと判断した。
「お前…何しにここへ潜り込んだ?」
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