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第3話 彼の中身は年相応。
美月と恋人になれてから二年が経過したが、実際のところ満月は彼の仕事を知らないで過ごしていた。
大きな会社を経営していることは知っているのだが、その仕事内容の詳しくは知らない。
仕事をしているときにパソコンを覗いたことはあるが、数字ばかりで理解が出来なかったのだ。
モニターには『利回り』とか『トランザクション』とか、よくわからない英語と数字の羅列が、滝のように流れていた。
美月はそれを、まるで楽譜を読む専門家のような冷ややかな目で眺めていた。
たまに英語で会話をしていることもあった。
海外向けの仕事もしているのだろうと、それでも満月は詳しく詮索はしなかった。
詐欺などの違法なことをしているとは以前本人から聞いていたし、自分は知らないほうが美月のためになるのではないか、そう思いもした。
蒸発した満月の父親が残した借金は事業に失敗した桁外れのものだったが、それすら美月は軽く小切手で支払っていた。
北白川組の半分以上を賄っている上納金ですら美月にとってははした金なのかもしれない、そう思うと仕事内容は余計に怖くて聞けないというのが正直なところだった。
そしてたまに美月はぐったりと疲れ果て、ソファーに横たわり休んでいることもある、相当頭を使う仕事なのかもしれない。
だがそういうときに限って、美月は満月に激しく身体を求めてくることが多々あった。
『あぁっもっと、……っまんげつ。もっと……おく、ついて……?』
つい先日も美月に尻穴の最奥を突くように懇願され激しいセックスをしてしまったな、と、思い出して首を振る。
平常心にならなければいけない大会前に思い出だしてはならないと身も心も引き締める。
エッチで美人過ぎるお兄さんの美月に満月は夢中だったが、正直なところ、その美月本人から甘い愛の告白 を聞くことはそうそうなかったので、そのうちに飽きられてしまったら、と、そんな不安なことばかり考えてしまう満月だ。
「……はぁ」
図体は大きくても、やはり満月の心は年相応の恋の悩みを抱えていた。
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