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第47話 ある提案。
美月の専属運転手として、その太陽と二人きりにならざるを得ない時間を過ごし、何事もなく数十日を経過した頃だった。
ようやく不躾な視線に怯えることなく過ごせるようになってきた美月に、太陽はある提案をしてきた。
「良いことを考えました。美月様、今度の弓道大会を闇賭博 の舞台にするというのはいかがですか?その仕事にならば、私も美月様の役に立つと思うのですが……」
『また性懲りもなく自分をを罠にはめよう考えてているのだろう』、と、美月は溜息を吐いた。
「その弓道大会に私が出場します。美月様はこの私に賭けてください」
確かその弓道大会の優勝者は二年連続太陽が制覇していたし、今まで元締めで傍観者だった美月が参加するならば、賭博は大いに盛り上がるだろう。
しかし太陽はその弓道大会を優勝したあかつきには……、と、褒美を求めてくるだろうことが目に見えていた。
「日向、負けたらお前はどうする?それ相応の罰を受けるというならな。そうだな、二度と俺の目の前に現れないと約束するなら、考えてやらなくもない」
二年連続制覇している太陽にライバル視している輩共に賭けることは、きっと太陽が優勝を三年連続制覇することよりも難しいことだろう。
出場者全員に優勝の確率はあるだろうし、連覇をしている太陽を超えるためにと出場する選手は多い。
それを考えると、今まで美月へ向けてきた執着考えれば、太陽は弓道大会の出場は辞退を考えるだろう。
しかしその答えは予想に反していた。
「わかりました。私が万が一優勝を逃すことがありましたら、美月様の前に二度と姿を現さないことをお約束しましょう」
考える間もなく即答する太陽は、自信がありそうに不敵な笑みを浮かべていた。
「ですが……、私が優勝したあかつきには、美月様には私の全て受け入れてくださる、という条件でよろしいでしょうか?」
その言葉が意味する最悪の蹂躙を想像し、美月の背中に一瞬だけ冷たい汗が伝う。
だが、ここで引けば一生あの蛇の影に怯え続けることになるだろう。
躊躇うことなく美月は頷き、賭けに出ること決めた。
狩る者として、狩られる者として、これは互いに取ってチャンスだったのだ。
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