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第50話 静からの助力。
それから二年の月日が流れ、美剣が連れてきた人材、日向 太陽から満月は弓道の教えを学びはじめたのだが……。
しかし、太陽から学ぶ弓道が『美月の模倣 』だと知った時、『どうしても俺 の弓道を取り戻したい』、と、思い、美剣の本邸と静の別邸を行き来している町屋に静との面会を頼んだ。
『美月さんの側にいてもおかしくない男になりたい。愛する人を守れる男になるためには、あの人の助力が不可欠だ』、と、もう一度満月は静に会おうと思ったのだ。
許可がおり、町屋は満月を別邸に連れて行った。
別邸は北白川組の本邸のような日本家屋ではなく、西洋風の屋敷だった。
日本にこんな建物があることに驚いた満月は、平常心を保つのに必死になるくらいの屋敷だった。
通された部屋の奥のソファーに静は座っていた。
極道 界の会長 の奥方に相応しい威厳と風格の中にも、美月と通ずる気高さを感じる。
そんな静に満月は深々と頭を下げた。
「静様、美月さんの隣に立つために強くなりにきました。どうか俺に助力をお願い致します」
満月は大奥様と呼ぶか静様と呼ぶか悩んだ挙句、名を呼ぶ方がいいだろうと思い、言葉を放った。
「満月さん、あなたこの二年間何をされていました?」
「ボクシングを学んでいました」
「弓道を怠った原因は何かしら?」
静はまるでボクシングよりも弓道を学ぶべきだと言っているようだったので、満月は躊躇した。
「……言い方が良くなかったわね、訂正します。あなたには獲物を狩る眼光 を宿している。美月さんの側に存在する人材になりたいのならば精神を鍛える弓道、そして躍動を鍛えるボクシング、この二つを究めるのがいいと思ったの」
言い方を変えても尚、静の威厳はそれほど変わらなかった。
「弓道を辞めた理由は、これ以上の成長を自分には期待できなかったからです」
満月は考えていたことを包み隠さず言葉にした。
「自分にはもうこれ以上の伸び代はないと思った、だなんて。それを傲りだと思わなかったのかしら」
静の言うことは最もだと、今の満月なら理解ができた。
二年前の自分はまだまだ未熟な子供だった、と、そう思った。
「……その通りだと思います」
満月は当時の頃を思い出し、その考えに反省をした。
その表情を見た静は微笑んだ。
「未熟さを認めた素直さに免じて満月さん、私はあなたに助力したいと思います。私の知り合いに全ての武術を究めた人材がいます、特別に紹介しましょう。弱音を吐かず勤しみなさいね」
静から武術を究めた老師を紹介され、満月はその老師が営む小さな道場に通うことになった。
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