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第2話
「いただきます」
早速トーストを手に取り、バターを塗って食べ始める。温め直してくれたのか、外はさくさく、中はもっちりしていて美味しかった。
目玉焼きやベーコンの焼き具合もちょうどよく、シンプルな塩気が口に合う。
そのままパクパク食べ続けていたら、いつの間にか完食していた。多いと思っていたが、案外食べられるものだ。
「ごちそうさま。美味しかったよ」
素直に礼を言って、空になった食器を台所に持って行く。
黙々と洗い物をしていたら、兄が自分のマグカップを流しに持ってきた。
「これも洗っておいてくれる?」
「ああ、わかった」
「ところでお前、今日の朝食完食しちゃったね。お前には多いかなって思ったんだけど、食べられたんだ?」
「え? ああ、そういえばそうだな。いつの間にか完食していた」
「…………」
「きっと空腹だったんだよ。そんなことより、市場に行く約束だったよな。これ洗ったらすぐ出掛けよう」
ササッと食器を洗い終え、出掛ける支度をして兄と市場に向かう。
既に午前十時を過ぎており、朝一番に仕入れたイノシシ肉やシカ肉は売り切れてしまっていた。
その代わり、昼食用に調理された軽食――サンドイッチやシチュー、スコーン等の簡単な食事が売られている。
――美味しそうだな。
焼きたてのスコーンや具材たっぷりのサンドイッチに、つい目移りしてしまった。今日の目的は鍛錬用のジャージなのに、無駄遣いしてしまいそうだ。気をつけなければ。
「おや、ケイジじゃないか。今日はもう店じまいかい?」
道すがら、兄がとある饅頭屋に声をかける。
ランキング六位のケイジが、蒸籠 を重ねて片付けているところだった。蒸籠の中に、売れ残りの肉まんが残っているのがチラリと見えた。
「ふむ、フレインに弟君か。そのつもりだったが、食べたかったのか?」
「ああいや、ちょっと声をかけただけ。そこまでお腹空いてないし、どうしてもってわけじゃないから……」
「いえ、できればいただきたいです。ケイジ様の肉まんは美味しいので」
気付いたらそんなことを言っていた。何故か兄が驚いたように目を丸くした。
ケイジは「ふむ」と頷くと、
「なら、ひとつずつ持って行くといい。店じまい後の売れ残りだから、お代はいらぬ」
「え、いいんですか? ありがとうございます!」
アクセルは笑顔で肉まんを二つ受け取ると、兄に一つ差し出した。
そしてホカホカの肉まんにかぶりつきながら、ジャージを売っている店を目指した。
目当てのジャージを購入し、家に帰って軽く鍛錬した後、今度は昼食を作る。朝は兄に作らせてしまったから、お昼は自分の番だ。
何にしようかな……と食料庫を覗いていたら、不意に兄がキッチンに入ってきた。
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