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第14話

 翌日から、本格的な治療が始まった。  朝は午前七時に全員起床し、点呼の後に軽い運動を行う。  運動の後は任意で入浴・シャワーが可能で、八時から朝食、服薬。その後は各々に割り振られた雑用――部屋の掃除や備品調達、書類整理等を行うことになった。  そして正午ごろに昼食、服薬。また少し雑用……の後に、自由時間が設けられる。  といってもやれることは限られているので、アクセルは誰もいない広場で走り込みや筋トレを行った。 「お疲れ様。調子はどう?」  ナインがタオルと水を手に、声をかけてくれる。タイミングよくそういった差し入れをしてくれるところは、兄によく似ていた。 「ありがとう。おかげさまで快適に過ごせているよ」 「それはよかった。薬が合わなかったとか、違和感があるとか、そういうことはない?」 「今のところはないな。ヴァーリ様の指示通り、きちんと食後に飲んでるよ」 「そっか。起床の時はどうだった? 眠気が残ったりしなかった?」 「ああ……それもそこまで気にならなかったな。もう少し眠りたい気もしたが、一度起きてしまえば眠気に悩まされることもない」 「ふむふむ。食欲の方も問題なさそう? アクセル、特におかわりはしてなかったよね?」 「そうだな。満腹とまではいかなくても、十分食べられた気がするよ」 「なるほど、順調そうだね。睡眠と食欲に関しては、すぐに元に戻りそうだ」  ナインは持っていたチェックボードに、何かを書き込んだ。多分、入院中の戦士の様子を聞き取りしているのだろう。  アクセルとしても、順調に治っていそうで嬉しい。この分なら、思ったより早く退院できるかもしれない。 「じゃあ、残る問題は性欲か……」  そうナインが呟いたので、アクセルは首をかしげた。 「それはどうにでもなるんじゃないか? 別に俺、我慢できない程精力旺盛ってわけじゃないし」 「そう思うかもしれないけど、やっぱり三大欲求っていうだけあって我慢が利かなくなる時期がくるんだよね。何か変な薬でも飲んだんじゃないかっていうくらい、ムズムズしてどうにもならないことがあるの」 「え、そんなことあるのか? もしそうなったら、どうすればいいんだ?」 「まずは抑制剤を飲んでもらうけど、それでも抑えられない場合は、事に及ぶしかないかな」 「……は?」 「だから、自慰で発散させるんだよ。アクセルだって大人の男性なんだから、自分でやったことくらいあるでしょ?」 「え、あー……まあ、な……」  曖昧な顔で返事をする。

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