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第40話

 ――そういや、「生まれ変わったらきみの専属トレーナーにでもしてもらおうかな」とか言ってたけど……この辺の知識はどうなったんだろ……。  やっぱり彼とは、一度ゆっくり語らう必要がある。  バルドルの下働きとして雇われているなら、バルドルにお願いして休みをもらえないか聞いてみるのもいいかもしれない。バルドルなら、ちゃんと事情を説明すれば理解してくれそうだし、差し入れを持って行った時に話をしてみよう。 「…………」  アクセルは自分の朝食を平らげ、食器を片付けてから市場に買い物に行った。  使った卵を買い足し、他にも必要な食材を買い込んで、家に戻る。  どうせ差し入れするのなら、玉子焼きだけでなくちゃんとしたお弁当にして差し入れてみよう。  ナイン……いや、ノインの好みも変わっているかもしれないから、調査も兼ねていろんな食べ物を少しずつ詰め込むのがいいかもしれない。  そう思い、アクセルはせっせと弁当作りに勤しんだ。  メインとなるサンドイッチも様々な種類用意し、おかずも一口サイズを意識して、唐揚げやミートボール、ロールキャベツ等なるべく多くのものを楽しめるように工夫してみる。 「お前、今日は料理してばかりだね」  鍛錬を終えたらしき兄が、キッチンを覗き込んできた。  作り置きしておいたハチミツ入りレモン水をがぶ飲みし、豪華な弁当箱を眺めてくる。 「玉子焼き差し入れするのかと思ったら、割とガチなお弁当になってるじゃないか。随分手が込んでるねぇ」 「ノインの好みが今どうなってるかわからないからな。なるべくたくさんの物を食べられた方がいいかと思って」 「ふーん……? それにしても、差し入れに手作りの豪華弁当を持って行くって、なかなか変わってるね。ケーキとかお菓子ならわかるけどさ」 「う……それはそうだけど」  スタート地点が「甘い玉子焼きを差し入れしたい」だったので、それは仕方がない。  冷静になってみると手作り弁当の差し入れは初見の相手にやることではない気もするが、既に作り始めてしまった以上、今更取り消しはできないだろう。  これはこれでいいんだ……と自分に言い聞かせ、アクセルは作ったものを弁当箱に詰めた。見栄えよく丁寧に盛り付け、風呂敷に包んで両手で抱える。 「兄上も行くよな? バルドル様のところ」 「うん、行くよ。お前のお友達がバルドル様のところにいるなら、『仲良くしてやってね』って挨拶しとかなきゃ」 「そ、そうだな……」  兄が言うと、牽制しているように聞こえなくもないが……まあ、挨拶以上の意味はないのだろう、きっと。

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