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第48話
――俺も、生前は十年以上兄上と死に別れてたからな……。ヴァルハラに来てやっと再会できたけど、それでもしばらくは一緒に暮らせなかったし。
だから一、二年離れ離れになったところで、本当はたいしたことない。
が、どうもこの手の寂しさは、経験してきた期間の長さは関係ないようだ。
バルドルは更に言った。
「やっぱり、定期的に顔見せに帰っておいでって言おうかな……。毎日どんな生活してるのか気になるし」
「そうですよね。私も、弟が入院している間は気が気じゃなくて。施設内にこっそり忍び込んでやろうかって考えたものです」
……などと、兄・フレインが合いの手を入れる。
「ほら、あの入院施設っていろいろ『曰く付き』だったでしょう? 昔は私のコピーも作っていましたし、うちの弟が変な目に遭っていたら大変だなって」
「いや、兄上……俺はそんな変なことには」
「手紙も面会も禁止ですし……兄としては、いろいろ心配になることもあるんですよ。バルドル様なら理解してくださると思いますけど」
「ふふ、確かにそうかも。弟のことになると、どうも余計な心配しちゃうんだよね」
「ええ。私を差し置いて浮気してないかも、非常に気になりますしね」
なんだかおかしな方向に話が及びそうだったので、アクセルは慌てて咳払いをした。
「あの、それで……バルドル様ってお休みの日はあるんですか?」
「え、お休み? それは特に決まってないけど……なんで?」
「いえ、その……。『今日は仕事をお休みする!』って決めれば、ホズ様に会いに行くこともできるんじゃないかなと思いまして」
「ああ、それもそうだね。やることは山積みだけど、たまには休みをとってもいい気がしてきた。じゃあ今度の週末は、思い切って休みにしようかな。その代わり、休みの間の仕事を前もって終わらせないといけないけど」
にこりと微笑み、バルドルは言った。
「じゃあ、今週末は久々の休日だ。……きみたち、休日前までは忙しくさせちゃうけど、よろしくね。その代わり、私がお休みしてる時は仕事休んでいいから」
と、壁際に控えている下働きたちに声をかける。
ということは、今週末はノインも休みをとれるということだ。
上手い具合に話が進んでいるようで、アクセルは内心ホッとした。
これなら、この後ノインに休みの予定を聞いて、お茶の約束を取り付けるのもいいかもしれない。話したいことは山ほどあるし。
そう思っていたのだが、今まで黙って壁際に控えていたドライが余計なことを言い始めた。
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