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第100話

「……そうかもね。よくも悪くも、人を惹き付けるのがアクセルの魅力だから」  兄も小さく微笑み、再度こちらを撫でてきた。 「まあそれはそれとして、お前はもっと強くなってもらわないと困るかな。複数の大男に囲まれても返り討ちにできるくらいにはさ。今回はノインくんが全員ボコボコにしてくれたんでしょ? トレーニング始めて一年にも満たない人に負けてどうするの」 「す、すみません……」 「傷が完治したらお前、山奥の修行場に行っておいで。そこでみっちり修行してくるといい。洞窟を何度か踏破するのもアリだ。あまり生ぬるいことをしていたら、いつまで経っても強くなれないからね」 「は、はい……」  顔を引き攣らせつつ、アクセルは頷いた。  そのまましばらく泉に浸かり続け、怪我が完治したのを確認してから上がった。  見回り当番は後で報告書を提出することにして、一旦切り上げることになった。 「そういえばノインは、ここにチラシを置きに来たんだっけ? 仕事の邪魔しちゃってごめんな」 「いえ、いいんです。チラシを置くついでに、アクセルさんに会えたらいいなと思ってましたから」 「えっ……?」 「チラシを置いたら今日の仕事は終わりですので、もしアクセルさんの時間があるなら、いろいろお話ししたいなと。一緒にトレーニングもしてみたいですし、軽くハイキングするのも面白そうだな……なんて」 「そうなのか。じゃあちょうどいいから、一緒に修行場に行くか? 結構なハードコースだけど、今のノインなら楽勝だろ?」 「いいですね! 楽勝かどうかわかりませんが、是非ご一緒させてください」  ノインが思った以上に乗り気だったので、アクセルもちょっと嬉しくなった。誰かと修行場で切磋琢磨するなんて、滅多にない機会だ(兄となら修行したことがあるものの、兄は強すぎるので切磋琢磨にならない)。 「それじゃ兄上、俺は修行に行ってくるよ。日が暮れるまでには戻るつもりだ」 「はいはい。くれぐれも、死なないように気をつけなさいよ。……ノインくん、万が一アクセルがドジ踏んで死んじゃったら、棺まで運んであげてね」 「ええ、わかりました」  投げ捨てた武器を回収し、綺麗に洗浄してからアクセルは山に入った。ノインも棍棒を背負いながら後ろからついてきた。 「……それにしても重そうだな、それ。何キロあるんだ?」 「慣れればたいしたことありませんよ。ちょっと持ってみます?」  そう言って渡された棍棒を持ってみたのだが、いきなりズッシリした重さが腕にのしかかり、度肝を抜かされた。多分三〇キロ以上はある。

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