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第102話
「……うっ」
気を抜いたら、不意にがくんと膝が折れてバランスが崩れた。
丸太を抱えたまま水の中に転倒してしまい、バシャーンと大きく水飛沫が跳ねる。
「アクセルさん!?」
ノインが丸太を放り出し、慌ててこちらを助け起こしてくれた。
「アクセルさん、大丈夫ですか?」
「あ、ああ……ありがとう……」
「滝行は思っている以上に負担がすごいですから。気を付けましょう」
「そうだな……ごめん、迷惑かけて」
……なんか以前もバランスを崩して兄に助けてもらった覚えがあるのだが、それとほとんどシチュエーションは同じだ。毎回同じようなミスをしてて恥ずかしいことこの上ない。
気を付けているつもりなのに、どうして自分はいつもうっかりミスをしてしまうのだろう……。
「ちょっと上がりましょうか。身体も冷えてきましたし」
「あ、ああ……」
ザブザブと滝壺から上がり、急いで大判のバスタオルを巻く。
冷たい水のせいで体温が奪われ、自然と身体がガタガタ震えた。
巻いたバスタオルの中で濡れた服を全部脱ぎ、パンツ一丁になって身体を拭く。
同じく身体を拭いていたノインが、ふとこちらを見て言った。
「アクセルさんってひょっとして、自分の限界を超えて頑張っちゃうタイプですか?」
「え?」
「普通なら『これ以上はヤバい』って無意識にストップがかかって、倒れる前にやめられるんですよ。でもアクセルさんは、『まだイケる、もっとイケる』って無理をしちゃうのかなって。だから一人でも頑張って大人数と戦っちゃうし、我慢して滝に打たれ続けちゃうのでは?」
「そ、そうなのかな……。いや、だとしてもそれはそれで、自分の力量がわかってないってことだから普通に恥ずかしいんだけど……」
「自分の実力を自覚するのって、なかなか難しいですよね。ヴァルハラにはランキングがありますけど、あれはあくまで死合いでの強さですし。一対一での戦闘には強くても、大人数戦闘が苦手っていう人はたくさんいると思います」
「まあ、そうかもな……」
「とりあえずアクセルさんは、限界以上に頑張るのを控えるところから始めてみてはいかがでしょうか。何でもかんでも『一人で何とかしなきゃ』って気負ってしまうと、かえって周りに迷惑をかけてしまうことがありますので……。あ、これ僕のことなんですけど」
そう苦笑するノインに、アクセルは思い出したように尋ねた。
「そういえば、仕事の方はどうなったんだ? アインやドライとは上手くやれてるのか?」
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