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第104話
「あ、クビを切ったってそういう意味……? 本当の意味で首を斬ってたのか……」
「ええ、そうでもしないと止まらなさそうだったので……」
「そうなんだ……」
「でもホズ様も、最初はそこまでするつもりはなかったんですよ。普通に解雇しようと思ったら、ドライ先輩がナイフ持って暴れ出したものだからやむを得ず……」
「……だろうな」
逆に、ホズにそこまでさせてしまうドライの方がよっぽど問題児だったとも言える。
「あ、ちなみにバルドル様もホズ様に怒られてました。『あんなヤバいヤツを何で雇ったんだ、兄上の目は節穴か』って」
「そ、そうか……。まあでも、それはホズ様じゃなくても言いたくなるかもな……」
下手したら、バルドルにも襲いかかっていたかもしれないわけだし。
――世の中、本当に意味不明なヤツはいるもんだな……。できることなら、関わらずにいたいが……。
ヴァルハラにもわけのわからない理由で襲ってくるヤツがいるので、そういうヤツは強制的に黙らせるしかない。非常に残念だが、話が通じない人は一定数存在する。
だから自分も、そういうヤツに絡まれた時に何とかできるよう、なるべく強くならなくてはいけない。
「というか、ノインも災難だったな。そんな傷が残るなんて可哀想に……。後でもう一度泉に行ってくるか?」
「気になるほどではありませんので、大丈夫ですよ。というか、僕が激しいトレーニングを始めたのってドライ先輩に刺されてからなんです」
「え、そうなのか? それまでも隙間時間で鍛錬してたんじゃないのか?」
「してました。でも、それだけじゃ全然足りないなと思い知りまして。僕がもっと強ければ、ドライ先輩に刺されることもなかったはずなんです」
「ど、どうかな……。どんなに鍛錬を積んだ強者でも、刺される時は刺されるぞ……?」
「ですが、ドライ先輩は素人ですよ? 素人のナイフをどうにもできないっていうのは、さすがにないでしょう?」
「それは、まあ……多分な」
「なので、ホズ様に頼み込んで稽古をつけていただくことにしたんですよ。ホズ様、厳しい方でしたがおかげで少し強くなれました」
……だから「少し」どころではないのだが。
アクセルは苦笑しつつ、言った。
「そうか……いいなぁ、ホズ様の稽古。俺も習いに行きたいくらいだ」
「アクセルさんも、バルドル様の屋敷にいた時は稽古をつけてもらったことあるんですよね?」
「まあな。でも俺が習得できたのは『視覚に頼らない戦い方』だけだ」
「それでも十分すごいと思いますよ」
「どうだろうな……。俺からすれば、ノインのポテンシャルが羨ましくてたまらないよ。短期間でここまで強くなるってことは、元々戦う才能があったってことだろ?」
「アクセルさん……?」
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