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第106話

「そういうわけですから、あまり気を落とさずに。僕から見れば、アクセルさんは才能に溢れた素敵な戦士ですよ。落ち込む時もあるでしょうけど、そういう時は愚痴を聞いてくれる友達と励まし合って、また頑張りましょう。ね?」 「……ああ、そうだな」  アクセルは小さく頷いた。  愚痴を聞いてもらえてよかった。兄にもなかなか言えないことだから、余計にスッキリした。 「よし、もうちょっと鍛錬したら帰るか。今日は夕飯食べていくだろ?」 「いいんですか? ではお言葉に甘えさせていただきます。久しぶりに甘い卵焼き食べたいです」 「夕飯に卵焼きか。あれは朝食や弁当のイメージだけどな」  そう笑いながら、アクセルは鍛錬を再開した。  今度は無理をしすぎないよう気をつけながら、軽めの丸太を背負ってスクワットを行った。  ノインは丸太を二つ抱えて重量挙げのように腕を鍛えていたが、片方だけで三〇キロ以上もありそうな太い丸太だったのでさすがに度肝を抜かされた。  ――あの腕のどこにそんな力があるんだ……? ここまでくると、意味わからなさすぎて別の人種みたいだな……。  そうやって筋トレを続け、しっかり筋肉に刺激を加えたところで一度鍛錬を切り上げる。  見回り当番を終えてから何も食べていなかったので、だいぶお腹が空いてきた。  早足で山を下り、市場に寄って目に付いた食材を買ってから家に帰る。 「ぴー♪」  帰った途端、ベランダからピピが嬉しそうに声をかけてきた。  ……が、一緒にいるノインを見て不思議そうに首をかしげてくる。家には既にフレインがいるのに、その人は誰なんだろう……と。 「ただいま、ピピ。この人はノインで、俺の友達なんだ。兄上にそっくりだけど、全然別人だから間違えないようにな」 「よろしくお願いします、ピピさん」 「ぴぇ……」  そう挨拶されても、ピピは未だに怪訝な顔をしていた。  ――まあ、俺ですら「兄上そっくり」って思うからな。うさぎには見分けにくいか……。  そう思いつつ、ピピを撫でる。 「じゃあピピ、今から夕飯作ってくるよ。いつもの野菜スープでいいよな?」 「ぴー♪」 「よし、じゃあいい子で待っててくれ」  家の中に入ったら、何故か兄がテーブルの上にアクセルの木彫りを乗せてブツブツ話しかけていた。ちょっとしたホラーだった。 「あ、兄上? 一体何してるんだ?」 「おかえり。なんか暇だったから、お前の木彫りと会話してたんだ」 「会話って……急にどうしたのかと思ったぞ。というか、そんなに暇なら兄上も修行場に来ればよかったのに」 「いや、私がいたら紛らわしいかなと思って」 「……え?」

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