40 / 43

第39話

 くちゅっ…ちゅ…っちゅっ…。 「んっ…んん…っはぁ…っ」  寝室へ場所を移動した二人は、縺れるようにベッドへ倒れ込んだ。嗅ぎなれた柑橘系のすっきりとした香りが蒼太の鼻腔をふんわりと刺激する。自分と同じシャンプーの香りを身にまとった藍に、蒼太はなんとも言えない支配欲に心をかき乱されるようだった。  ベッドへ移動する際、突然立ち止まった藍は「あっ、シャワー」と口にした。蒼太としてはシャワーなどすっかり頭から抜けていた程であり、このまま事に及んでも問題なかったのだが藍は違ったようだ。とりあえず二人はそれぞれシャワーを浴び、藍には普段蒼太が愛用しているスウェットをパジャマとして渡しておいた。彼シャツならぬ彼スウェット、自分が着ていた衣服を藍が着用している、ただそれだけのことに蒼太の興奮は高まっていた。手足が長い藍が着ても少し裾が足りないような見た目だったが、体格的に蒼太よりもかなり細身である藍が着るとダボッとしたゆるさが増しており、その姿はなんとも愛らしかった。 「んっ…ふぅ…」  藍の口内をまさぐるように蒼太が舌を動かせば、すぐに甘く蕩けた声が藍から漏れる。藍はキスこそ下手くそだったが、どうやらキス自体は好きなようで先程から積極的に蒼太を求めるように藍も舌をを絡めてきていた。 「っぷは…っだから長ぇって…っ!」  調子に乗ってグイグイとキスを仕掛ける蒼太の身体を、藍はぐいっと押しのける。名残惜しく唇を離した蒼太は「…藍…もうちょっと…」と寂しそうに眉を下げた。 「…っやだ」  藍は瞳を大きく見開くと、すぐに蒼太から顔を逸らしてしまった。蒼太は一瞬やり過ぎてしまったか、と焦りを覚えたが、真っ赤な顔でどこか期待しているような瞳をしている藍の姿に、自分の焦りは杞憂に過ぎないと察した。 「分かった、口にはもうしないから」  そう言った蒼太は視線を落とし、藍の首筋へ唇を押し付けた。藍は一度びくりと身体を反応させると「んっ…」と口元を押さえた。首筋、鎖骨、耳、手と、露出している部分にキスを降らせていく。時折藍の唇から漏れ出る吐息に、蒼太は興奮を煽られているようだった。 「服、捲っていい?」  蒼太が尋ねると、藍は小さく頷くだけだった。藍から許しを得た蒼太は藍の服を捲りあげた。露わになった藍の肌は、驚くほど白く滑やかだった。本当に自分と同じ性別なのか疑いたくなるほど、藍の素肌は陽の光に当てられ輝く雪のように白く美しかった。    薄っぺらい腹からゆっくりと視線を上げ、蒼太は平らな胸に視線を向ける。男である藍の胸は当然だが膨らみなどなく、小さな突起がついているだけだ。それでも蒼太は鼻血が出てしまうのではないかと心配してしまうほど、藍の身体に興奮していた。今の今まで男の裸になど興奮するはずも無かったのに、藍の裸を目に下半身が痛いほど反応してしまっていることに気がついた。  ほのかに桃色に色づいている藍の肌に、ゆっくりと蒼太は触れる。蒼太が触れた瞬間、ぴくりと藍の腰が小さく跳ね上がった。 「んっ…」 「藍…すごい綺麗…」  蒼太は指を滑らせ、藍の滑らかな肌を堪能するかのように撫で回す。擽ったいのか、藍は身体をうねらすように動かした。蒼太が藍の胸へと触れようと手を伸ばすと「っ…なぁ」と藍に腕を掴まれた。 「ごめん…っ嫌だった…?」 「違くて…お前…男の硬い身体なんかに興奮すんの…?」 「え…っ?」  蒼太から視線を逸らしている藍の瞳は、どこか不安そうに揺らめいている。 「いや今更なんだけど…お前元々ノンケじゃん?俺の事好きとか置いといて、そもそも男の裸見ても萎えねぇのかなって…」  藍から腕を離された蒼太は、まさか藍がそんなことを心配するとは思ってもいなかった。自分が藍の裸で興奮しないはずが無い、蒼太は当たり前のようにそう思っていたが、藍からしたら元々ノンケの蒼太が自分になど興奮するのか不安に思うのも至極真っ当であろう。蒼太は藍の腕を優しく掴み、自身の下半身へと誘導した。 「…っ」 「これで分かった…?」 「お前…っまだ触ってもないのになんで…」  分かりやすく顔を赤くさせた藍の姿に蒼太は目を細め「興奮してるから」と口にした。 「好きな子に触れてるんだから、興奮しないはずが無いでしょ」 「…っだからってそんな簡単におっ勃てるなよ変態…」  すぐに手を引っこめた藍はそのまま口元を押さえた。すぐに顔を赤くさせる藍の初心な反応に、頬を緩めた蒼太は藍の胸にちゅっとキスをした。 「本当に綺麗…ほっそいし…ちゃんと食べてる?」 「はぁっ…食べてるって、お前も知ってんだろ…」 「ははっそうだね。だけどほんと細すぎて心配になるよ」  藍の薄い腹に手を這わせながら、蒼太は藍の身体にキスを降らせる。藍の身体は簡単に折れてしまうのではないかと不安に思ってしまうぐらい華奢であった。  蒼太自身女性とお付き合いしていた際は断然尻派であり、肉付きが良い女性がタイプだった。胸もでかければでかいほど良いと思っていたぐらいだったはずなのに、今の自分はどうだろうか。蒼太が好みとしていた女性の身体とはかけ離れている薄い身体、膨らみのない胸、本来ならば自分と同じ男の身体になど興奮しないはずなのに、今の蒼太は息を荒らげるほど興奮を示していた。  相手が藍だから、自分はこんなにも堪らない気持ちになっているのだと蒼太は改めて自覚する。藍の全てが蒼太には美しく、愛おしいのだ。 「はぁ…藍…」  吐息混じりに愛おしい男の名を口にする。耐えきれんばかりの愛おしさがどろどろと蒼太の全身から溢れ出る。ちゅっ、ちゅっ、と唇を押し付けても、滑らかな肌を堪能するかのように舌を這わせても足りない。いくら愛撫したところで底の見えない欲は収まらなかった。 「も…っいいからっ…早く次進めよっ…」  息を荒らげた藍が蒼太の背中を蹴る。蒼太は餌をお預けされた犬のように「まだ全然足りないよ…」と藍の顔を見た。 「……その顔やめろよ…っこんなねちっこく舐め回されてたら朝になる」  ぐいーっと藍の足が蒼太の肩を押しのける。蒼太としてはまだ全然足りないのだが、これ以上しつこくして藍に嫌われても困るため大人しく藍の言うことに従った。 「分かったよ…じゃあ下脱がしてもいい?」  蒼太が藍のスウェットに手をかけると、藍は腕を伸ばし枕を掴んだ。そしてそのまま自分の顔を隠すように枕を自分の顔に乗せ、両手でギュッとガードする。 「藍ー…それだと顔が見えないんだけど…」 「うるさい、いいから早く続けろ」  不服そうに蒼太が不満を漏らしても藍は聞く耳を持ってくれない。顔が見れないことに少し残念に思いつつも、蒼太はスウェットを下ろした。 「…っ」  初めて目にした藍の生足に、蒼太は言葉を失ってしまう。美しすぎる、これは本当に男の足なのか、いや、女性の足でもこんなに美しいことはないのではないか、蒼太は藍の生足の美しさに想定外の困惑を感じた。藍の太ももから足首にかけてすらっと伸びている長い足は、男の癖に体毛などほとんどなく、つるつると白く光っていた。その上太ももが太ももと呼べないほど細く、もはや芸術作品とも呼べる藍の足から蒼太は目が離せない。 「…おい、どうしたんだよ…?」  蒼太の動きが止まった事に気がついた藍は、不振そうに枕から少し顔を覗かせた。 「…やっぱり萎えた…?」  藍の言葉に蒼太はハッと意識を取り戻す。慌てて「萎えるわけない…っ!」と弁解した。 「…ほんとだ…」 「ちょっ…おまえなぁ…」  藍の足が蒼太の下半身をなぞるように触れた。藍に触れられたことにより、ぞくりとした刺激が蒼太を襲う。足癖の悪い藍に「足で確かめんなよ」と蒼太は文句を言った。 「だって下脱がした途端固まるんだもん、やっぱり男の裸に幻滅したのかと思うじゃん」  そう言った藍の顔はどこか不機嫌だった。藍は蒼太に幻滅されたのだと見当違いな勘違いをしてしまっていたようだ。藍がそう思い込んでしまったのも無理はないだろう、蒼太は申し訳ない気持ちになりながら、正直に話した。 「幻滅なんてするわけないでしょ、むしろ逆だよ」 「逆…?」 「お前の足が綺麗すぎて見惚れてたんだ」  言ってから恥ずかしくなってしまった蒼太は、藍の顔を見ることが出来なかった。 「はっ?!おまっ…変態かよっ…?!」 「だってしょうがないじゃん…っ!お前の足が綺麗すぎんだよっ…!」  蒼太が必死に言い訳するが、完全に藍はドン引いてしまっている。しかし藍のその冷ややかな瞳に、蒼太はどこかゾクゾクとした快感を抱いた。 「きもぉ…」 「うっ…だってさぁ…毛も全然生えてないし、色も白くてすげぇ綺麗なんだもん…」  蒼太はするりと藍の太ももを撫でる。ゴクリと自分の喉が鳴ると同時に抑えきれそうにない欲に目が眩む。そしてついには「足…舐めてもいい…?」と声として発してしまった。 「…好きにしろよ…てかさっきから色んなところ舐めまくってんだから今更だろ…」  藍の答えに蒼太は心から安堵した。蒼太はふぅ、と短く息を吐き、藍の魅力的過ぎる足に顔を近づける。一度舌を這わせた蒼太は、夢中になるように藍の足を堪能し始めた。太ももから足首にかけてゆっくり舌を動かせば、やはり甘い風味が蒼太の口内に広がっていく。藍は香りだけではなく肌さえも蒼太の舌に甘い刺激を与えた。  蒼太が顔を上げると、枕で顔を隠しているせいで藍の表情こそ見えなかったが、真っ赤な耳に時折漏れる甘い吐息、そして膨らみを持った下半身から藍も蒼太の愛撫に感じているのだと理解出来た。高校の頃蒼太が藍の足を舐めたあの時とは真逆の反応を見せている藍に、あの頃とは確実に変わった藍の気持ちが蒼太は嬉しくて堪らない。  蒼太は藍の下半身の膨らみをやんわりと撫で「脱がしていい?」と尋ねた。 「…っいちいち聞くな…」  恐ろしく小さな声でそう言った藍、蒼太でなければ聞き逃していたかもしれない。蒼太は藍の下着を下ろすと、言葉にならない興奮が蒼太を襲った。  露になった藍の男性器は、当たり前だが藍が男である事を証明していた。それでも他の男の性器なんか比べ物にならないほど、藍のそれは蒼太には酷く魅力的に見えた。惚れた欲目なのだろうか、蒼太の愛撫によって半分ほど勃ち上がった藍の性器から、蒼太は目が離せなかった。 「そんなにまじまじと見んなよ…っ」 「あっごめん…っ、えっと…さ、触ってもいいかな…?」  まるで童貞のような自分の反応に恥ずかしく思いながら、蒼太は藍の自身に触れようと手を浮かせた。すると藍が「ま、待って…っ」と声を出したことにより、蒼太の手はピタリと止まる。 「嫌かな…?」 「そうじゃなくて…お前も脱げよ…。俺だけ真っ裸なんて不公平じゃん…」  未だに枕を手放さない藍にそう指摘された蒼太は、「分かったよ」と頷き大人しく着ている衣服を全て脱ぎ捨てると「これでいいかな…?」と藍に問いかけた。 「…っお前のでかくね…?」 「えっ?そうかな…」  枕を手放した藍はまじまじと蒼太の完全に勃ち上がった下半身に視線を向けている。ここまで藍に注目されていることに蒼太は羞恥を感じながらも、確かに自分のものは藍より大きいなという感想を抱いた。 「なんか…男として負けた気分…」 「そんなことないでしょ、藍のはすごく綺麗だし」  蒼太がフォローすると、藍は「はっ?!」と顔を赤くさせた。 「ちんこに綺麗もないだろっ?!馬鹿なんじゃねぇの…っ?!っもういいから触れ…っ!」  怒鳴られた蒼太は今のは失言だったな、と反省しつつも、言う通りに今度こそ半勃ちの藍の性器へと触れた。 「んっ…あぁ…っ」  途端に藍の腰が大きく跳ね上がる。やわやわと上下に擦れば、藍の口から快感を訴える声が溢れ出る。藍は枕を力強く抱きしめ自分の声を殺すように必死に耐えていた。藍の顔が見えないこと、そして声が聞けないことに不満を持った蒼太は「藍…顔見せて、声も聞かせて」と藍の枕を取り上げた。 「あっお前…っあぁっ…っ」  蒼太が根元をギュッと握れば、藍の口から大きな喘ぎ声が放たれる。咄嗟に口を塞ごうとした藍の腕を蒼太は掴むと、そのまま藍の唇を塞いだ。 「んんっ…ふ…っぅ…」  手の動きを速めれば、藍の腰はビクビクと小刻みに震える。鼻から抜ける甘い声からも、そろそろ藍も限界なのだろうと蒼太に感じさせる。 「…っはぁっ…あぁ…っもっやばいから…っ」 「イく?藍イきそうなの?」  蒼太は唇を離し、藍の顔をまじまじと見る。快感からグズグズに崩れた藍の整った顔、こんな乱れた藍の姿など自分以外見ることはないだろうという事実が、蒼太の心を大きくかき乱す。 「イッていいよ藍」  蒼太は藍から視線を逸らすことなく、与える刺激を増していく。 「…あっああっっ…イッ…くっっ」  藍の身体が大きく仰け反る。達した余韻から小さく痙攣している藍の身体を蒼太は優しくなぞると、ピクリと藍の腰が可愛らしく跳ねる。 「はぁ…可愛い藍…」 「…んっ」  くちゅりといやらしく藍の唇に吸い付き、再度深い口付けを始める。痛いほど腫れ上がった自身の下半身、蒼太はもう限界だった。藍の乱れた姿を目にしただけで、蒼太の自身は腹に付くほど反りあがっていた。 「んちゅ…は…ぁっ」 「藍…そろそろ俺も限界かも…えっと…本当に俺がいれる側でいいの…?」  藍の窄まりに指を当てた蒼太は、恐る恐る尋ねた。藍は一度身体を大きく反応させ「いい…から…っ」と真っ赤な顔を自身の手で隠した。 「でもさ、男同士って受け入れる側の負担がすごいって聞くから…やっぱり俺はお前に無理させたくない…」  今になって蒼太に不安が襲う。男同士のセックスは男女よりもかなりハードルが高い事は容易に想像できる。受け入れる側の藍を傷つけることになったら、という心配が蒼太には拭えなかった。  すると藍は、潤んだ瞳でキッと蒼太を睨みつけると「ここまできて怯むなよ…っ」と口にした。 「お前が抱きたいって言ったんだろ…っ?なら早く抱けよ…っ」  藍のどこか期待に満ちているような瞳が蒼太を見つめる。藍本人の口から抱けと言われてしまったからには、蒼太は引き下がれなかった。  引き出しからローションとコンドームを飛び出した蒼太は「ちょっとでも嫌だったら言ってね」と藍の髪をさらりと撫でた。蒼太がローションを自身の手へ垂らすと、再び枕を抱きしめた藍の視線を感じる。藍の鼓動からも分かるように、初めての行為にかなり緊張している様子だった。 「指いれるね?」  藍が頷いたことを確認した蒼太は、ローションによって塗れた中指を藍の後孔へあてがいナカへゆっくりと挿入した。当然だが藍のナカは驚く程狭く、指一本でさえ受けれいるのにかなり苦労しそうだった。 「くっ…あ"ぅ…っ」  藍の苦しそうな声が蒼太の耳に届く。蒼太は指の動きを止め「辛い…?止めようか…?」と優しく声をかけた。 「やだ…っやめんなよ…」 「でも…辛いんだろ…?まだ指一本しか入ってないんだよ…?」  藍は「うげ…」と顔を顰め「マジでこんなでかいの入んのか…」と呟いた。藍の額には冷や汗が伝っており、流石に今日はここまでが限界だろうと察した蒼太が指を抜こうとした時だった。 「抜くなって…っ!」  咄嗟に声を発した藍に、蒼太の指は止まった。 「でも…」 「まだいれたばっかなのに何すぐに止めようとしてんだよ…っいつもお前は俺に対して気を遣いすぎなんだよ…」  そう言った藍は「お前だって辛いんだろ…?」と蒼太の下半身に目を向けた。 「…っ、本当に続けても大丈夫なのか…?」 「お前のそんなバキバキにおったてたちんこ見せられて今更止める気にもならねぇよ…っ」  ふいっと顔を逸らしてしまった藍の姿に、蒼太は言い表せない興奮を抱いた。藍がここまで積極的に行為に臨もうとしている事実に、蒼太は再び指を動かした。 「ん…っ」  蒼太はゆっくりと円を描くように藍のナカを広げていった。普段出すことにしか使わないところに入れられてる異物感からだろうか、藍は瞳をぎゅっと瞑り耐えるように枕にしがみついている。 「苦しい…?」 「んん…っ苦しいっていうより…なんか初めてすぎて違和感がすごい…」  初めて、蒼太の心臓はこの藍の一言でバクンッと大きく跳ね上がった。自身のケツの穴に異物を入れられるという経験など、大概の人間は経験することはないだろう。もちろん蒼太だってそうだ。そして藍だって初めてのことであり、その初めての行為に不安ながら蒼太に全てを託してくれている。堪らない高揚感を抱いた蒼太は、藍のすっかり萎えてしまったそれにちゅっ、と口付けた。 「ああ…っっ」  びくりと藍の腰が大きく跳ね上がる。 「おま…っなにして…んあぁっ…っ」  蒼太の突然の行動に藍は焦ったように蒼太の頭を掴んだが、蒼太が舌を這わせればすぐに一際高い声が藍の口から発せられる。  蒼太は藍のナカを解しながらも、蒼太の舌によって反応しつつある藍の自身を夢中になって舐めた。男の性器など口にしたことなんてなかった蒼太だったが、全くと言っていいほど不快感はなかった。裏筋をつーっと舐め、先端部分をぢゅっと吸えば藍の口から快感に耐えるような喘ぎ声が漏れ出る。  蒼太は二本、三本と指を増やし藍のナカをじっくりと解していった。先程まで苦しそうな表情で耐えていた藍も、蒼太のフェラによってすっかり蕩けてしまったように瞳を揺らめかしている。 「う…っんんっ…」 「はぁ…っ藍…」  蒼太は指を抜くと、コンドームを取り出し今にも破裂してしまいそうな自身に装着した。藍の上気した火照った頬に指を滑らせた蒼太は「いれてもいい…?」と荒い息で尋ねた。 「っん…」  藍の長く輝いている睫毛が震える。既に藍の顔は涙と涎でぐちゃぐちゃになっており、蒼太の興奮はこれまでに無いほど上昇した。  自身を藍の小さな穴にあてがう。ぴと、と密着しただけでぞわりとした快感が蒼太を襲った。 「んっ…あ…っ」  自分の感情を押し殺し、蒼太はゆっくり、ゆっくりと自身を藍の中へ沈めた。経験したことのない程の狭い肉壁は、蒼太の自身をぎゅうぎゅう、と引きちぎってしまうのではないかというぐらいキツく締め上げる。 「く…っはぁ…っ藍…?もう少し力抜ける…っ?」 「む…り言うなよ…っばかぁ…っ」  藍は浅い呼吸の中蒼太に訴えた。 「でけぇ…んだよ…っうぅ…」 「…っ藍…んっ…」 「んんっ…」  蒼太は自分の欲を抑えるように、藍の唇に噛み付くようなキスをした。お互いが溺れるような深い口付けは、蒼太の残り少ない理性を打ち砕くようだった。 「すごい…藍…本当に俺のが藍のナカに入ってる…」  唇を離した蒼太は、うっとりとした瞳で二人の繋がりを凝視した。あんなに小さかった穴に自分の性器が飲み込まれている様が、蒼太としては目を疑ってしまうような光景であった。しかし目の前の光景は蒼太の夢などではなく現実であり、藍とこうして繋がっている事実に蒼太は耐え難い幸せを感じた。 「そんなまじまじと見んなよ変態…っ」  藍は蒼太の視線に耐え兼ねるように自分の顔を腕で隠した。そんな愛らしい藍の身体を蒼太は優しく包み込むように抱きしめた。 「好き、好きだよ藍」  言葉にしなければ愛おしさで胸が破裂してしまうそうだった。「好き、愛してる」という言葉が蒼太の口から溢れるようにこぼれ落ちる。 「…っ急になに…っ」 「お前を愛することが出来て、俺は死ぬほど幸せだよ」  藍の瞳から目を逸らすことなく、蒼太は心からの言葉を口にする。すると、一際大きなドクン、という音と共に藍のナカがきゅうっと締まった。突然の刺激に危うく達してしまうところだった蒼太だったが、激しく鳴り響いている藍の鼓動に思わず笑みが浮かび上がった。 「可愛い、藍」 「…っお前が変なこと言うから…っ」 「ねぇ藍、動いてもいい?」  蒼太の指が藍の唇をなぞる。ビクッと反応した藍は、蒼太の首に腕を巻きつけ「もう好きにして…」と耳元で呟いた。  蒼太の鼓動もドクン、と痛いほど大袈裟に跳ね上がる。蒼太の首元にギュッと抱きついている藍の細い腕、愛おしすぎる自身の恋人に、蒼太の理性はないも同然だった。 「うぅ…っはぁ…っ」 「はぁ…ん…」  蒼太がゆっくりと腰を動かせば、なんとも心地いい快感に包まれる。自然と口からは吐息が漏れ出てしまい「はぁ…気持ちいい…」と藍のナカを擦るように蒼太は腰を突き上げた。 「あぁっ…っ」  するとどうだろうか、藍の腰がビクンッ、と大きく反り上がった。驚いた蒼太は「藍…?!」と藍の顔を見ると、自分でも何が起きたのか理解出来ていないような表情で瞳をチカチカとさせている。 「へっ…?う…あ…」 「痛かった…?大丈夫…?」  蒼太は藍の頬を優しく撫でた。するとピクっと藍の身体が反応を見せる。「なに…っ?今の…?」と藍は未だに困惑している様子だった。  蒼太が自身を引き抜こうと腰を動かせば、またもや藍の口から「ああっ…っ」という甲高い声が漏れる。藍の反応にもしや、と一つの予測を立てた蒼太は、もう一度自身を深く沈めた。 「はぁっ…っ」 「…くっ…藍…もしかして感じてる…?」  急激にナカが締め付けられる感覚が蒼太を襲う。蒼太は確信した、藍はナカで感じているのだと。 「えっ…?そんなわけ…うあぁっっ」  ゆさゆさと蒼太が腰の動きを再開させると、藍は身体を反らし絶え間なく甘い声を響かせた。 「あっあぁ…っやばい…っああっっ…変になるっ…っ」 「はぁ…っ藍っ…」  蒼太が奥を突く度、ナカがきゅうっと締め付けられる。このまま藍に大事な性器を引きちぎられてしまうのではないか、という馬鹿げた思考を浮かべながらも、蒼太の腰は徐々に激しさを増していった。 「うぅっ…はや…ぃっ…まっ…そうたぁ…っっ」  呂律の回っていない状態で藍が蒼太の名前を呼ぶ。それだけで蒼太の自身はずくん、と質量を増したように藍のナカで反応を見せた。 「可愛い藍…っんっ…」 「んんっふうっ…あっ……んっ…」  二人の唇が重なると、藍のナカがまた締まったような感覚に蒼太は限界だった。自身を押し当てるように奥へと腰を突き上げると「ふっんんっ…っ」と藍の唇が震えた。 「藍っ…藍っ…好きだ…好きだよ…っ」 「俺も…好き…っ蒼太っ…」  藍にギュッと抱きしめられた蒼太は、逃げ場のない射精感から律動を速める。 「ああっ…っあっそうた…っあぁっイクっっ…っっ」  大袈裟に藍の身体がびくびくっ、と跳ね上がると同時に、蒼太の自身は締め付けられた。「う…っあぁっっ」と蒼太は抗うことの出来ない快感から藍のナカヘ欲を吐き出す。  はぁ…はぁ…と達したことによる脱力感から、蒼太は藍の上へ覆い被さるように倒れ込んだ。 「んっ…はぁ…はぁ…重い…」 「はは…っごめん」  そのまま藍の身体をギュッと抱きしめると、幸福感に包まれるようだった。

ともだちにシェアしよう!