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余韻21 止まらない
「おかえりなさいませ、お二人とも」
出迎えてくれた使用人は、アーネストたちの顔を見て、あら、と一言こぼした。
「お食事の支度はできていますけれども、先に汗を流した方が良さそうですね」
今日はもうお暇しますね。
そう言って頭を下げた使用人に、ああ、とか、ありがとう、などと返して、アーネストは手を引かれたまま奥の部屋へと向かった。
「ダート」
寝室の扉を開けたダートに声をかける。
アーネストだってまだ何も準備がない。
少し待って欲しかった。
「室長、……しませんから」
それだけ言ったダートは、振り返りざまにアーネストを扉に押しつけて、唇を合わせてきた。
扉に体を預けた音が気になりながらも、性急に入ってくる舌の熱さに意識を持っていかれる。
手指は絡め取られたまま、舌が口の中をなぞるのに合わせて、手のひらもなでられていた。
「――――っ、ん、んぅ」
繋がっていない方の腕は、アーネストの顔の横に置かれて、すっかりダートに閉じ込められていた。
体が少し押し付けられて、二人の間に挟まれた剣帯が音を立てた。
こんなふうに高められて、何をしないというのか。
空いた手でダートの体をなぞり、服の下、筋肉の盛り上がりを辿ると、ダートの喉が鳴るのが聞こえた。
荒く跳ねる呼吸と、絡み合う目線。
こうして求められているのが、
この必死な目が――
やっぱり、好きだ。
扉に押し付けられて、キスに口を挟むこともできないまま高められていると、ダートの膝が割り入ってきた。
内腿をなぞりあげられて、膝から力が抜ける。
ずり落ちかけた体を体で押しとどめられて、顎があがった。
肩にかけた手に力を入れると、ダートの腕に背中をすくわれて体を全部密着させられた。
その拍子に顔が離れて、お互いの息が混じった。
「……ぁ、ダート」
触れ合う熱がアーネストの体の中を広がって、体に沿わせていた手のひらをダートの背に回す。
汗の冷えたダートの背中は、アーネストの腕を受け止めてじんわりと熱をはらみ始めた。
「好きです。……師団長として立つあなたも、俺の腕の中のあなたも」
ダートの言葉に、息を飲み込む。
そのまま体ごと持ち上げ運ばれて、寝台に押し付けられた。
何かを言いたくて、言葉にならなかった。
ダートの腰から服の下に手を這わせて、背中をなぞりあげながら腰を浮かせる。
アーネストの荒れた息づかいに合わせて、ダートが首元を舌でなぞる。
顎をのけぞらせて眉を寄せると、慣れた手つきで剣帯、マントが次々と剥がされた。
「ダート――っ」
「あとで……、後で、きちんとします。――触れさせてください」
ダートの低い声に背中が震えて、目の前がくらくらとした。
後頭部をシーツに押し当てて、首を揺らす。
ダートの吐く息が首元に熱くわだかまり、もう、たまらなかった。
「俺も、――欲しい。……っぁ」
ボタンが次々と外され、胸元がはだけられる。
ダートの手でベルトが外され、アーネストも、ダートの腰元をくつろげた。
もう、止められそうになかった。
話を、したかったのだけど。
最後までは、確かにしなかった。
それでも、二人で散々高めあって、熱を分け合って、ぶちまけた熱をやたら丁寧に後ろに塗り込められて。
「ダート、――ダート!やっ、……だ、だめ」
ダートの太い指が、浅いところを押し込めたり、腹の奥を揺らしたりして、アーネストはもうダートの名前を呼ぶ以外できなくなっていた。
体を覆う服はもうすっかりはぎ取って、はぎ取られて、
汗ばんだ肌をくっつけ合って、アーネストはダートの腰を背中を楽しんで、それから二人、どうしようもないところへ高め合っていて。
いつもの必死さで、ここから突き落として欲しかった。
「――ダー……ぁト……っ!」
思いがけず涙声になったのにびっくりして息を止めると、ダートが、ばっと顔を上げた。
「しつちょ……、すみません、大丈夫ですか」
肘をついてのしあがった恋人は、心配そうな顔でアーネストの顔を覗き込んだ。
尻の肉がわなないて、腹が震え、ダートの二の腕を掴んだ指先が震えた。
すぐには応えられず、首を振る。
どうにかして欲しかった。
欲を言えば、もっと、我を忘れて欲しかった。
「……すみません。一度、身体を流しましょう。」
鼻先、おでこ、頬、耳元の順に唇を落とされて、耳元で「また後で」と囁かれ、その熱が身体中に広がる。
ため息のような吐息に声が混じって、アーネストは目を閉じた。
「なんか、手練れになっちゃって……」
抱き起こされて、体を預ける。
「そう感じていただけるなら、嬉しいです」
いつものダートだ。
嬉しくなって、少し体が揺れた。
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