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第10話 いつもの店
いつものクラブに女の子たちがいる。
沙也加と由里亜とミレイと莉里。ミレイは仕事をしていてあまり遊び歩かない。
OLだから時間に厳しい。もうみんな高校生の頃とは違う。
彼女たちの男に対する評価は
「何かあいつら、劣化して来たよね。」
「うんうん、遊びすぎて手垢がついたようね。」
「あーあ、純粋な恋がしたい。」
彼女たちの基準は外見だけか?勝手なイメージで決めつけている。
このサーファーたちは意外と純情だったりする。成湫がイメージを作ってしまった。女誑し。
「剛はあのバーテンダーに声かけて見たの?」
「えっ、そんな,全然。」
「あのパーティも意図がわからないし。
また、次のお誘いが来てるよな。」
「ああ、また、みんなで行くか?」
あれから数回、合コンめいたパーティがあった。なぜか、あのバーテンダーが必ず手伝いに来ている。
会いたい剛は、必ず出席した。心配性の航が付きそう。
榊もこの前のプールサイドの彼女とはワンナイトで終わったらしい。
「あの娘、もう付き合わないの?」
「ああいう強い女は苦手だ。
しっかりしていて男を萎縮させる。」
「へえ? 榊が萎縮?」
「セックスでリードしようとする女は、俺は苦手だ。お互いを少しずつ知ろうとするような、気持ちを積み重ねて行くのがいいな。」
「榊って古風だな。」
そんなわけで女運のない男どもが今日もあの店に、たむろする。
「俺、引っ越そうと思って。」
突然、航が言い出した。いつも剛を可愛がってたのにどうしたんだ?
「やっぱり海の近くがいい。
サーフィン中心の生活。」
「どこに引っ越すの?」
「ポルトガル、と言いたい所だけど、まあ、千葉かな。」
航の家業の和菓子工場がある、千葉の東浪見か太東辺りがいいと言う。
「一ノ宮、志田下も近いし。」
オリンピックの会場になった海岸だ。
「剛を連れてくの?」
「えっ、行かないよ。無理だろ。」
初めて聞いて戸惑っている剛も
「一緒に行くわけないじゃん。
奥さんでもないのに。」
「剛にはあのバーテンダーがいるじゃん。」
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