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第18話 ナマズ⁈
有人は家族写真に写っていた剛を指さす兄の大仁に混乱した。
「大ちゃんが気に入ったって言ってるのは男だよ。隣に写っている女の子はどう?」
「違うよ。この男の子がいいんだ。」
「子っていう年でもないけど、大ちゃんは男が好きなの?」
「ううん、どっちでもいいんだ。
ロスアンゼルスにいた頃、男と付き合ってた事もある。」
大仁はロスに留学経験がある。その頃の私生活を有人は知らない。
「僕は有人がゲイなの知ってるよ。
どうやら、僕もだ。」
「じゃあ、はっきり言おう。こいつは僕の恋人だ。大ちゃんには上げないよ。」
「ダディに話すよ。ダディの力でなんとかしてもらう。」
(大はいつもそうだ。僕のものを欲しがる。)
剛の所にまた、招待状が届いた。
インターナショナルホテルのオーナーからのご招待だ。今度は剛に直接。
「なんだ?パーティじゃないようだ。
俺と妹だけみたいだ。」
今度はレストランの特別室。
あまり、大きくない綺麗な部屋だった。
「雛(ひな)ちゃん、こういう所、大丈夫?」
「平気よ。お友達のバースデーパーティーとかで慣れてる。」
お互いに外国育ちで外交官主催のパーティにも、幼い頃から呼ばれていたが、いつも両親と一緒だった。こんなお見合いみたいなのは経験がない。
出迎えてくれたのはタキシード姿の有人だった。
「ようこそ、いらっしゃいました。
初めまして、青木有人です。」
妹の雛は有人に見惚れている。
小声で
「おにい、この人素敵!超タイプ!」
有人は俺を見てしっかり目を合わせる。
「剛くんは久しぶりだね。会いたかったよ。」
(連絡くれなかったくせに、会いたかったって?)
続いて青木大仁が登場だ。
俺は目を疑った。この前のナマズのような男とは全く違った。今日は有人と兄弟だと言われても納得する。
この前はわざと変なメイクで変な服装、成金じみた腕時計だったのか。
趣味の悪い金持ち、というイメージで作っていたのか。
今日の大仁は有人に劣らないイケメンだった。
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