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第19話 王子様⁈

「今日は、一緒にランチを、とお誘いしました。 剛くんは僕の友達だけど、妹さんは突然で驚かれたでしょう。  パーティの招待状を準備しているときに、皆さんのご家族の写真を見る機会がありました。  兄がどうしてもお近づきになりたいと申すもので、お手紙を差し上げた次第です。」  バーテンダーは接客に慣れているのか一方的に有人がしゃべった。  妹がまた,小声で 「お兄さんも素敵。ちょっと違うタイプ。 でも、どちらもいいわ。」 「雛、失礼だよ。」  ウェイティングスペースからダイニングテーブルに案内されて大仁と妹は隣同士になった。  剛は有人の隣。大仁と向かい合わせになった。 「雛さんはお酒飲めますか? アペリティフ。」 「はい、二十歳になりました。頂きます。」  食前酒のマデラワインが運ばれてきた。 (大丈夫かな? 雛は酒なんか飲めるのか?)  剛はハラハラする。緊張して妹の分までワインをがぶ飲みした。  次々に運ばれてくる料理は美味しかった。 イタリアンだ。初めにレタスと玉ねぎ、アボカドのサラダ。イタリアンドレッシングのサッパリした味が美味しい。  スープがわりのパスタは冷製でトマトが甘い。 次に海老ときのこの温かい一皿。  メインはサルティンボッカ。ハムと薄切りポークの間にバジルが挟んである。絶品だ。  ドルチェは、ピスタチオアイスクリームとパンナコッタの盛り合わせだった。  最後に苦いエスプレッソがとてもよく合う。 「珈琲が来たのでおしゃべりしましょう。」  それまで口数少なく食事していたのに,有人が冗舌になった。 「大ちゃんは剛くんにお話があるんでしょう?」  兄の大仁は、有人より2才年上だと言う。 「僕は剛くんとお付き合いしたいんだ。」  妹がびっくりしている。 「えっ、お兄ちゃんと?」 「えっ、俺?」  二人同時に驚きの声を上げた。 それから剛は,有人の顔をまじまじと見た。 (何で? この人は俺を兄とくっつけようとしてるのか?)  有人の顔を睨みつけてしまった。有人は俺から目を離さない。見つめあってしまった。 (何か、まずい状況じゃないのか?)

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