24 / 48

第24話 別荘

 剛は,有人が一緒なら、と別荘について来た。 ジープ・ラングラー。 「カッコいい車。すごいね有人。」 「この車は大仁のだよ。サーフィン用だ。ボードが積んである。」  有人が運転してここまで来た。伊豆半島の山の中腹だ。遠くに海が見える。  青木会長が金にあかせて建てた斬新な別荘。 「温泉が引いてある。源泉掛け流しだよ。」  管理人が準備してくれたようだ。  剛は有人がいるだけで幸せだった。あの初めての夜を思い出す。ペントハウスのジャグジーで抱かれた夜。  でも、今日は大仁が一緒だ。 「温泉に入って来たら?」 「広いから一緒に入れるな。」 「えっ、三人で?」 「大丈夫だよ、おいで。」  もう服を脱いでいる大仁に呼ばれた。 裸の大仁はすごい筋肉でカッコよかった。金のかかった身体。作り込んだ筋肉。  有人はもっと自然な筋肉質だった。 (頭の中で比べてしまう。) 「有人は俺をあの人に売ったの?」  有人はいつもの冷たい顔ではなく、動揺している。そんな顔も素敵だ。  違う、と首を振った。 「三人で入れるな。」  そう言って有人は剛を抱き寄せた。 広い湯船にゆったり三人で入った。 「有人、剛くんを僕にくれ。 僕は本気だよ。剛くんが欲しい。」 「やめろよ。剛はモノじゃない。」  大仁がオロオロしている。有人が逆らうのは初めてだった。強い言葉に驚いている。 「来いよ、剛、ここにおいで。」  名前を呼ばれて有人の膝に抱きとられた。 「わあっ。」 「大仁、こいつは俺のだ。誰にもやらない。 大仁にもやらないよ。」  今夜一緒に寝るのは誰だ⁈ 剛は混乱した。この展開は何だ? 「あのう、俺一人で眠りたい。 俺は誰のものでもないよ。 変な事、言うのやめろ。」 「そうだな。おまえサーフィンやるんだろ? 明日は大浜に降りて行ってみよう。」  剛は航のことを思った。 (航も一緒だったら喜ぶかな?) 「大浜は初心者からベテランまで誰でも受け入れてくれる波だ。左には舞磯がある。  コンパクトビーチだ。楽しいよ。」

ともだちにシェアしよう!