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第32話 玲於奈⁈
クラブにあのナマズ野郎、大仁が剛の妹の雛をエスコートして入って来た。
店にいた剛が焦って立ち上がる。馴れ馴れしく大仁が近寄ってきて
「剛が冷たいから、雛ちゃんとデートだ。
今、有人も来るよ。彼氏と一緒だ。
有人の彼氏。」
嫌味な感じで剛にわざわざ言いに来た。
(有人の彼氏だって?聞いてないよ。)
一方、こちらの榊はパニックだ。あのパーティ以来忘れられなかった水着の彼女。
(もう会えないな。あれは夢だったのか?)
その彼女を諦め忘れようと思っていた。
そしてあの夜、ミレイと近づきになった。
ミレイに心惹かれて、既成事実は、ないまま気持ちが揺れた。
その二人が姉妹だったなんて⁈
出来すぎた偶然だろうか?
以前からこのクラブで見知っていたミレイと榊。たまたまあのパーティで姉の綺麗と一夜を共にした。綺麗は言う。
「私は前から榊くんを知っていたの。
いつも妹が話してたから。」
ミレイは自覚もなく姉の前でいつも榊誠の事を
話していたから、綺麗はミレイの榊に対する恋心がわかった。
あのパーティに誘われて榊本人と会える事になった。綺麗は、水泳選手として名を馳せていたから招待されたのだろう。プールパーティ。
「興味があったのよ。
ミレイが榊くんの事ばかり言ってるから。」
「綺麗は横取りしたの?榊くんを。」
「横取りって?
あなたのものじゃないでしょ。」
「そうだけど・・」
周りで聞いていたいつものメンバーが笑っている。
「ミレイったら、誠の事、意識してたんだ?」
そんな騒ぎとは別に、剛は雛と大仁が気になる。それ以上に有人のことが。
遅れて有人が入って来た。こちらもきれいな男を連れている。一瞬、有人と見つめあってしまった。
(この男は誰?)
大仁が口を挟んできた。
「剛くん、僕のものになる気になったかい?
紹介しよう。有人の恋人。
加門玲於奈(かもんれおな)だ。」
「恋人?
俺が大仁のものになったら、雛はどうなるんだよ。失礼だ!」
「僕は雛ちゃんも気に入ってるから、そばに置いてもいいよ。」
「それが失礼だって言ってんだよ!」
大仁の胸ぐらを掴んで1発殴った。背が高すぎて上手くヒットしなかった。余計に腹が立つ。
大仁は切れた唇の血を拭いながら
「いい、パンチだ。僕の剛くんは男らしいな。」
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