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第40話 ショーン・ロビンズ
ビーチに向かって置いてあるベンチで夕陽を見ていた。
コンドミニアムも上層階から、オーシャンビューで海は見える。分譲される値段は相当なものだろう。実生の父はやり手の不動産屋だ。儲かっているのか、かなり良い物件のようだ。
散歩に出て夕陽を見ていたが、すぐに夜になった。観光客向けの賑やかなクラブがたくさんありそうだ。
「やっぱり空気が違う。
今日は疲れたな。波に揉まれると身体中クタクタだ。明日は身体が痛いな。」
クラブでは彼女たちは目立っていて、綺麗だった。日本人は綺麗だ。造作の大きい白人の顔ばかり見ていると、日本人の繊細な顔が特に綺麗に見える。
「みんな綺麗だな。」
成湫の声に莉里と沙也加が睨んでくる。
「ハワイで見ると新鮮だ。」
「成湫の言葉には気をつけないと。」
さっきからガタイのいい白人が莉里たちを見ている。フロアに出て踊りたいけどちょっと怖い。
「何でみんな固まってるの?
フロアで踊ろうよ。」
さっきの白人たちがフロアに出て踊っている莉里と友里恵を取り囲んでいる。
成湫と榊が立ち上がった。一触即発と思ったら、彼らを飛び越えて向こうからすごいイケメンが声をかけてきた。
「ミショウ?実生じゃないか。
いつ来たの?連絡してくれよ。波はどうだい?
乗ったの?」
「何だ、ショーン・ロビンズじゃん。
みんな、ショーンだよ。」
ショーンの仲間らしい日焼けしてタトゥーだらけの屈強な若者が数人、さっきの白人を押しのけてこっちにきた。
「みんな地元のサーファーだよ。実生たちもサーフィンやりに来たんでしょ。」
あの白人たちはゾロゾロと帰って行った。
「アメリカのおのぼりさんかよ。
日本では都会に憧れて田舎から出てくる事を
おのぼりさんって言うんだよ。」
「オノボリサン?」
「オーイェ、アッパーカントリーボーイ、ね。」
「そんな言葉ねえよ。」
剛と蓮司が笑っている。みんなで握手した。
「じゃあ、お酒飲みましょう。」
キレイが言った。
「今日は疲れ果てて、飲んだら寝ちゃうな。」
「じゃあ、部屋で飲みましょう。」
ショーンが
「俺たちは帰るよ。朝早く波に乗りたいから。」
ショーンたちは明日のサーフィンの約束をして帰って行った。
ガヤガヤと一番広い男たちの部屋に戻ってきた。航と剛と勝利は並んで瓶ビールを飲んでいる。航の肩にもたれて、剛は寝てしまった。
みんなそれぞれカップルのようになってソファで眠っている。色っぽい事は何もなく、みんな健全に寝落ちしている。
聞こえる波音はいかにもハワイだ。
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