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第44話 ライバル?
ジミーは繊細な美形だった。激しいキスに剛は顔を背けた。みんなの注目を集めている。
航がそばに来て手を握ってくれた。
華やかなグループの輪の中心にいる大仁が、こちらにやって来た。
薄笑いを浮かべて
「剛、ジミーは有人のアマンだよ。
ハワイの恋人。どう?ショックだった?」
航が大仁の胸ぐらを掴んでぶん殴った。
「キャーッ!」
地元のデカい屈強な男たちが立ち上がった。
「航、いいんだ。」
剛は止めた。剛は惨めになった。大仁の言い分は陰険すぎる。大仁なんか好きになった妹の雛まで恨めしい。
(ここに雛がいなくて良かった。)
大仁の、口元に血の滲んだ顔が、端正でこんな時なのに見惚れた。
(綺麗な男。有人とはちょっと違うタイプ。)
「剛!来てたの?」
向こうから有人が声をかけて来た。
「ああ、こんにちは。」
「サーフィンやった?」
「ええ、まあ。」
「どお、いい波来てた?」
「いや,別に。」
「有人、何やってるの?こっちに来いよ。」
ジミーが呼んでいる。
「恋人が呼んでるぜ。」
航が剛の腕をつかんでその場を離れた。
「なんか気分悪いな。
お友達ごっこがしたいなら勝手にしたらいい。
こんなダサい身内パーティ。」
「帰ろうぜ。」
大仁が飛んできて
「剛、帰るなよ。みんな紹介するよ。」
(どんな紹介だよ。冗談じゃない。自分の嫁だとでも?)
有人の仲間か、モデル並みのカッコいいアメリカンがキレイやミレイたちと楽しんでいる。
「みんなモデル?」
「そお、デザイナーでもある。
ボクはディビット。」
「ボクはイラストレーター。
ケオラ。ケオラ・タバツキ。
キースヘリングみたいなの描きたいんだ。」
「バスキアじゃなかったっけ?」
「生成AI使うなよ。同じ顔になる。」
「アロはバンドやってるんだ。」
「て、いうか、キーボード。鍵盤ね。」
「キレイちゃんは水泳選手だったの?」
「いえ、選手ってほどじゃないけど。」
「ボクたちとサーフィンやろうよ。」
「わあ、やりたい。」
「大仁に教えてもらえば?」
みんなノリノリで海に行く約束をした。
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