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第48話 それぞれの夜
何をやって過ごしているのか、詮索することはない。キレイは乱交パーティにいる、と聞いて,それ以上の介入をミレイは拒否した。
「いつもそう、いい男がいればハッピーな人なの。榊もいい思いしたでしょ。」
「ああ、一回だけな。」
今まで,榊はしばらくキレイを忘れられなかった。脳内で美化した優しい女。
顔がキレイなら心も、とは行かない。キレイの心が汚いという訳ではなく、価値観の相違だ、と榊はわかってしまった。
「榊はいい人ね。
私は愛する人が一人いればいいと思うよ。
でもキレイの生き方だから。
ごめん、私ずるい女になってるね。」
榊はミレイに愛しさを感じている自分を戒めた。こういうのは気持ち悪い。
自分が一回寝た女に相手にされないから、その妹に手を出すなんて。
そんな男になりたくない。
「コンドのリビングで酒でも飲もう。
そのうちみんな帰ってくるよ。」
離れたくない気持ちになっていた。
ミレイとは話が尽きない。音楽の話。そして本の話。見つめあってキスしようとしたら、柔らかく拒否された。
「ソクラテスに対するプラトンの恋心は、師弟愛。有名なプラトニック・ラブと言われるものだったの。そういうの、いいな。」
そんなことを言われたらもう手は出せない。
「ミレイはプラトニックがいいのか?」
「そういうわけじゃないけど。」
「ただいまぁ。あれ、他の奴らは?」
蓮司が帰って来た。続いて勝利と航も一緒だ。
「実生はティファニーと飲みに行ったよ。
成湫は莉里と沙也加とプールで遊んでる。
大仁の乱パには行くな、と言っといた。」
「剛は、あのバーテンダーがお持ち帰り。
大仁の弟だっけ?」
「俺たち、明日は波に乗りたいからお先に失礼します。ショーンたちと約束があるんだ。」
蓮司たちは寝に行ってしまった。
それぞれ部屋に引き上げて、榊とミレイはリビングに取り残された。
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