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第6話

前回、エナジードリンクを愛斗にくれた柳田ですが、愛斗はモヤモヤするばかり!? **************************************** それから数週間後の六月半ば頃のある日、午後七時半のレストラン厨房はてんやわんやの状態だった。 息を吐く暇もなく、厨房の誰もが忙しく動き回っている。 そうなると、きっとホールもバタバタしているに違いないと愛斗は思った。 そこでマネージャーの柳田を呼ぶことにする。 「マネージャー!」 厨房から呼ぶと、柳田はディシャップの近くまでやってきた。 「何でしょうか」 「さっきの予約はどうなったんだ?」 「あぁ、問題ありませんよ」 柳田は涼しい顔で笑顔を見せた。 『何だと!?』 ところが愛斗がホールの方に目をやると、厨房は戦争状態なのにホールには穏やかな空気が流れているではないか。 満席となっているのにも関わらず、だ。 『こっちはバタバタしてるってのに、ホールはどうしたんだ?』 厨房の忙しさとホールの静寂のギャップに愛斗は困惑する。 スタッフも落ち着いているし、クレームが来ているわけでもなさそうだ。 お客たちも普通に食事を楽しんでいるし、違和感を覚えた愛斗。 「ホールは大丈夫ですから、調理に専念してください」 冷静な表情でそれだけ言うと、柳田はまたホールでの仕事に戻っていく。 『一体、どうなってるんだ!?』 愛斗の頭の中は、わけがわからなくなった。 しかし考え事をしている場合ではなかったため、違和感を抱えながらも愛斗は料理を再開したのだった。 いつもに増して忙しかったその日の営業が終わり、愛斗はくたくたになった。 『あー死にそう…』 もう一歩も動けないとばかりに、ホールの客席に脚を投げ出しダラリと座る。 すると、ホール担当のスタッフ・一木が通りかかったので呼び止めた。 「なぁ。今晩来た団体、どうしたんだ?ホール静かだったけど、席あったのか?」 「あぁ。俺もびっくりしたんですけど、席替えしてもらったんですよ」 「え!?あのタイミングでか?」 「はい。柳田さんが全部調整してくれたんですよね」 何かやってるのか!?あいつは…。 「そう、だったのか…」 「俺はよく分からなかったですけどね。柳田さんが動いてたのは本当っす」 席が足りなくなったわけじゃなかったんだ…。 あいつは、“時間”を作ってたのか…。 柳田は、ちょっとの時間で滞在時間の短いお客を把握していたのだ。 そして、コース料理を出す順序を調整していた。 その上で、予約客を別席に自然に案内していたのが事実である。 これで、ホールは混乱一つ起きずに穏やかな時間を保っていたというわけだ。 愛斗自身はホールのことなど一切分からない。 料理一筋でここまで来たから。 店を構えて安心して料理に打ち込めたのは、他でもなく柳田がいてくれるからこそなのだ。 あいつは凄い、一体何者なんだ…。 愛斗の中で、柳田の存在感はますます大きくなっていった。 ****************************************** 読んでいただきありがとうございましたm(__)m 柳田は、お客の無理難題にもスピーディーに動いていた! 彼の有能さに改めて脱帽する愛斗なのです。 さてさて、次は何が起こりますやら!?

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