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第10話

柳田と鈴木のことで悶々とする愛斗ですが、果たして柳田らには何かがあるのか!? ****************************************** 営業後の片付けも終わり愛斗も帰ろうとしたところ、バックヤードに立ち寄るとまだ柳田はパソコンを操作していた。 『まだ仕事してたのか…』 そう思いながら彼の顔をチラリと見ると、何だか具合が良くなさそうだ。 顔色も悪そうに見える。 『こいつ、大丈夫なのか?』 そう思いつつ愛斗は柳田に声をかけてみた。 「おい、まだ帰らないのか?」 「あぁ、えぇ。まぁ…今日中に終わらせたい仕事があったので」 柳田は平静を装っているが、どう見ても具合が悪いに違いない。 「お前、具合悪いんだろ?」 「いえ、私なら大丈夫です…」 強がってはいるが、鈍感な愛斗でも具合が悪いことくらい分かる。 「嘘つけ!無理するなって」 汗をかいているし、しんどそうだ。 咄嗟に柳田の額に手を当てると、熱い。 「おい、熱もあるじゃないか!」 「大丈夫ですよ…この程度…」 なぜこんなにまで強がるんだろうか。 「一体、いつからなんだ?」 店のシェフとして、スタッフの体調の変化にも気づかなかったとなれば、反省すべき点だ。 「数日前からちょっと体調が優れなかったんですけど…寝れば治りますから…」 そう言って柳田は立ち上がろうとしたのだが…。 しかしふらついて倒れそうになってしまったため、それを愛斗が受け止め回避した。 「おい、大丈夫か?何でこんなになるまで放っておいたんだよ!」 「シェフや皆に迷惑をかけたくなかったから…」 実は柳田が言うには、この日の夕方辺りから体調が悪化してきていたのだそうだ。 「そんなこと言って!倒れてしまったらダメだろう!」 『全く…前に俺を気遣ってドリンクくれたのに…お前が倒れるのかよ…』 「すみません…結局、迷惑をかけてしまいましたね…」 このまま放置していくわけにもいかないし、彼は自力で帰れる状態ではない。 家の場所を聞こうと思ったのだが、柳田は気を失ってしまっていた。 『くそっ…』 スタッフの名簿から住所を調べたとしても、勝手に家に上がることは憚(はばか)られる。 迷った末に、愛斗は柳田を自宅に連れて帰ることにした。 どうしてこんなことに、と思いながらも、起こして何とか背負ったのだった…。 背中に柳田を感じながら、愛斗は自分の車に移動。 そして取り敢えず、店から車で15分の距離にある自宅マンションへと帰ってきた。 そして、背負ってきた大男を自身のベッドへと寝かせたのである。 『あー、くそっ。なんて重いんだ…』 そう心の中で悪態を吐きながら、溜め息を吐く。 『俺はソファーで寝ればいいか…』 そう考えながら、ベッドに横たわる男に布団を被せてあげた。 柳田を背負ってきたため余計に疲れてしまったと思いつつも、愛斗は彼に触れたことにドキドキしたのも事実だ。 『俺のベッドで、柳田が寝てる…』 そう思うだけで、何故か悪いことのような気になってしまう。 それでも愛斗は、甲斐甲斐しく柳田の看病をした。 柳田の額に乗せたタオルを交換した愛斗。 ベッドの傍らにしゃがみ込んだ彼は、スッと自分の腕を眠る柳田の顔に近付けた。 そして顔の手前で躊躇うように一瞬止めたものの、柳田の髪に触れ優しく撫でたのだった。 『ずっと無理してたのかな…誰にも言わずに…』 柳田は無理をしてしまう面があるが、倒れるほどになっていたとは…。 もっと自分を労わればいいのに、と愛斗は思った。 ****************************************** 読んでいただきありがとうございましたm(__)m 倒れた柳田を自宅へと連れ帰った愛斗。 柳田の体調も気になるところですが、これから2人はどうなるのでしょうか!?

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