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第13話
前回は、愛斗の家で一緒に映画鑑賞をした2人でしたね!さて、これからどうなる?
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時間が経ち映画も終わり、気付けば日が傾いてきている。
実は、視聴した映画は二本目である。
「もう、こんな時間…」
柳田が部屋の時計を見て呟いた。
「そろそろ、帰ります」
「え?晩飯も食っていけよ。腹減っただろ?」
「で、でも…」
柳田は遠慮しているようだ。
でもまだ完璧に治ったというわけではないだろうし、もっと面倒を見たいような気がする。
「いいからそうしろって。ミネストローネとカプレーゼサラダ作ってやるから」
愛斗は敢えて、お腹に優しい料理を選んだ。
「シェフ、家でもそういった料理を作るんですね」
「俺自身も好きだからさ、家でも食べてる。それで、材料を切らさないようにしてるんだ」
それから愛斗は、「じゃ、待ってろ」と言ってキッチンへと向かった。
柳田のために食事を用意するとあって、愛斗の気持ちはウキウキする。
彼が倒れたからと言っても、こんな日が来るとも思っていなかったから…。
食後、柳田は昨夜も泊まらせてもらったので今日は帰るという。
「そっか…じゃあ送るよ、家まで」
職場の同僚なのだから、住所くらい履歴書にも書いてある。
ただ親切心から言ったことだったが、柳田の家など行ったことがないし、彼は嫌がるだろうかと愛斗は思った。
恐る恐る柳田の方を見ると、彼が迷っているように感じられた。
やっぱり家まで来られるのは嫌なのだろうか…。
そう考えていると、柳田は遠慮がちに聞いてきた。
「あの…。ご迷惑ではないのですか?」
「え?全然そんなことないよ。むしろ、俺が送りたいんだ。家まで来られるの、嫌?」
「いえ、滅相もないです!ただ、シェフに手間をかけさせてしまうと思って…」
柳田は顔を赤くして俯いてしまう。
「気にするなって。今日は一人で帰すわけにいかないしさ。ほら、そろそろ行こう」
愛斗は柳田を促して自宅を後にした。
車が走り出してからしばらくして、柳田が徐に切り出した。
「シェフ、どうして私にこんなに親切にしてくれるんです?」
「え?そ、それは…ほら、お前はうちの大事なマネージャーだからさ」
少したじろぎながら言った愛斗に、柳田は少し笑った。
「昔から、そういう面は変わらないですね 」
「ん?それはどういう意味だよ?」
「いえ、何でもありませんよ」
そう言った柳田の表情が、普段よりも柔らかくなっていることに、愛斗は気付かない。
お前も昔から実直なところは変わらないよな、と愛斗は内心で笑った。
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お読みいただきありがとうございました!
愛斗と柳田の関係は近くなったのでしょうか!?
柳田が何を考えているのかも気になるところです。
次回をお楽しみにm(__)m
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