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第14話
柳田を家に泊めて自宅まで送っていく愛斗ですが、柳田との距離は本当に縮まったのでしょうか!?
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「そうだ。お前さ、二人きりの時くらいいつもの話し方止めたらどうだ?」
赤信号で停車している間に、愛斗が隣に座る柳田に尋ねた。
「え?」
「職場じゃないんだし、堅苦しいから敬語止めろって言ってんの」
「でも…」
柳田は迷っている様子だ。
敬語を止めろと言っても、これからプライベートで会うことなどないかもしれない。
それでも、愛斗は彼によそよそしさを取っ払って欲しかった。
「お前の方が二歳上だしさ」
彼のほうか今までずっと敬語で話してきたし、突然かえるのは柳田も難しいのかもしれない。
「その理屈なら、シェフは私に敬語で話さなければいけないのでは?」
「そ、そりゃそうだけど!俺がいいたいのは、よそよそしいのが嫌だってことだ」
今まで、ずっと“同僚”なだけの関係だったことが、今さらになって後悔する。
本当は、隣の男と距離を縮めたいのだ。
「…わかったよ。すぐには慣れないけど、努力する」
柳田の言葉は、愛斗にとってとても新鮮に感じられた。
初めて聞いた、彼のタメ口…。
ぎこちなかったが、どんな言葉よりも愛斗には甘酸っぱい響きを持っていた。
「なぁ。それじゃ今度、映画を観に行かないか?お前が本調子になってからでいいから」
これまで柳田とは仕事だけの関係だったが、せめて休日に遊ぶくらいしたいと思ったのだ。
ただ、今ごろになって言うのもおかしいだろうか。
愛斗は『しまった』と思った。
「やっぱ…今さらかな…」
「…いや。シェフがいいのなら、ぜひ行きたい」
断られるかと思った。
”私とシェフはそんな仲ではないはず”と…。
思いがけない柳田の返事に、内心で愛斗は戸惑った。
「それってマジ!?」
「あぁ、マジだ。最近公開になったばかりの映画が観たいとちょうど思ってたんだ」
「え?あ、あぁ。そう、たぶんそれだ。俺もそれが観たくてさ」
まさか、柳田から観たい映画まで想定外だった。
『マジか!?俺が、柳田と映画?』
最初は自分から誘ったものの、愛斗の心の中はソワソワとしたのである。
話していると、いつの間にか柳田の家に到着した。
「ここだよ、家は」
「へぇ…」
初めてやってきた柳田の自宅は、住宅街の中にある八階建てマンション。
しかも、愛斗の家からもそう遠くない場所にある。
住所は見たことがあったが、プライベートに立ち入ったことなどなかった。
だから、柳田がこういったところに住んでいることが知れて、少し嬉しくなった。
そして未知の領域に足を踏み入れたような、そんなドキドキする気持ちもある。
「今回はありがとう。それじゃ、またレストランで」
柳田がシートベルトを外して車から降りようとしたので、愛斗は慌てて声をかけた。
「本当に、一人で戻ってもう大丈夫なのか?」
「大丈夫だよ。ゆっくりさせてもらったし…」
柳田が車を降りたことに合わせて、愛斗も車から降りた。
「ちゃんと休めよ!明日は、無理しなくてもいい。調子悪かったら、休んでもいいから!」
「店に迷惑をかけるわけにはいかないよ。大丈夫、明日はちゃんと出るから」
「それと!俺との約束も忘れるなよ!」
「分かってる」と言い置いて、柳田はマンションの中へと姿を消していったのだ。
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読んでいただきありがとうございましたm(__)m
柳田との映画の約束を取り付けた愛斗は嬉しさいっぱいなんでしょうか(笑)
さて、本当に映画に行くことはできるのか、要チェックです!
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