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第23話
スポンサーの高田にコンセプトの変更を要求された!さて、愛斗はどうする!?
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「か、変える?」
想定内ではあるものの、やはりその口から聞くと驚かされる。
隣をちらりと見ると、柳田も意表を突かれたような顔をしていた。
「高級志向にシフトしてほしいんだ」
「えっ!?」
嫌な予感がしていた愛斗だったが、それが当たったようだ。
これまで愛斗は、自分のシェフの矜持(きょうじ)として手軽に自分の料理を楽しんで欲しいという思いでやってきた。
彼が料理人を目指そうと思ったのも、子供の頃にリーズナブルな店で美味しい料理を食べたのがきっかけだった。
自分も、安くてもお客が笑顔になれるような料理を作りたいと思ったのだ。
高級な料理を出す店になればランクも上がるかもしれない。
けれど愛斗は、どうしても自分の信念を曲げたく無かった。
「この店は若者などが出入りしていて、値段も安いだろう?」
「そうですね。できるだけ低価格で俺の料理を楽しんでもらいたいんで」
「それじゃ私は、納得できないんだよな」
店を出す時はそんなこと言っていなかったし、だから今のコンセプトでやっているというのに…。
高田の考えが変わったということなのだろうか。
「どういうことですか?前はそんなこと一言も…」
「あまりにカジュアルだと、セレブや財界の方などを呼べないじゃないか。私はね、上流階級の方々とも繋がりがあるんだよ。そうした方たちにも、来てほしくてね」
高田の言葉の端に、店のリーズナブルさを恥ずかしく思っているのが垣間見えた。
愛斗はこれまで信念を持ってやってきたが、それを否定された気がした。
「今は物価高だし、何でもかんでも値段が高くなってるんです。だからこそ、うちはやれるところまで価格を抑えたいんです」
怒りを堪えながら抗議すると、それまで黙って聞いていた柳田が口を開いた。
「私は、高級店にシフトするのは良い選択だと思います。金銭的に余裕のある方々にお金を落としていただけますし…」
「柳田…何言ってるんだ、お前…」
柳田が高田に同調したことに愕然とした愛斗は、信じられない面持ちで隣の男から目が離せなくなる。
柳田は愛斗を庇って高田に反論してくれるものだと思ったからだ。
お前まで、高田の味方になるのか!?
コンセプトを変えろって言うのかよ…。
怒りや悲しみ、悔しさなど様々な感情が入り混じり、愛斗はどうすれば良いか分からなくなった。
「お話は分かりました。ただ、すぐには決められません。少し、お時間をいただけますか?」
「そうか…。まぁ、いいだろう。一週間後に答えを聞かせてくれ」
「はい…」
高田は「時間を取らせて悪かったな」と言って店を出て行った。
どうしよう…どうすれば良い?
愛斗はしばらくその場から動けなくなった。
「シェフ?そろそろディナー営業の準備を…」
しばらくして声をかけてきたのは柳田だった。
いつもと変わらない様子だ。
それがかえって助かったような、残念なような気がする。
「あ、あぁ…そうだな…」
それだけ返すと、愛斗は重い腰を上げた。
お前は、俺に信念を曲げろと言うのか?
そう柳田に問いたかったが、できないままその日の営業は終わった…。
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読んでいただきありがとうございましたm(__)m
高田は店を高級志向にチェンジしろと要求してきました!
しかも柳田さえも、その考えに賛成している様子。
愛斗はこれからどうなる!?
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