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第24話

高田に高級志向にしろと言われ、柳田にまで賛成されてしまった愛斗は、一体どうなる!? ***************************************** 翌日の営業後に、愛斗はバックヤードで柳田に声をかけられた。 「シェフ。ちょっと見ていただきたいものが…」 「なんだ?」 柳田がパソコンの画面を見せてくる。 「高田様からメールが届きました」 「メール?」 ”自分には、政財界などの大物の知り合いも多い。 その人たちに恥じないレストランにしたい。 だから、愛斗にも賢明な判断をしてほしい。” 高田からのメールを覗くと、そういったことが書かれていた。 高田は飲食だけでなく手広く事業を手掛ける、TRUグループのトップだ。 店に付き合いのある大物たちも呼び、舌を満足させたいのだろう。 ただ店を始める際には、高田も愛斗の方針にOKを出してくれたはずだ。 リーズナブルな店にしたいと言っても、「それで良い」と言って反対はしなかった。 それなのに、今になってコンセプトを変えろと言ってくるのは、単に高田の考えが変わっただけなのか…。 「シェフ…高田様の指示に従い、高級路線にした方が良いと思います」 柳田にそう言われ、愛斗はついカッとなった。 「俺の信念、知ってるだろ!」 「えぇ。でも、店を存続させるためには、高田様のおっしゃる通りにするべきです」 「どうして…どうして向こうの肩を持つんだ!?俺の味方にはなってくれないのかよ!」 愛斗が思わず怒鳴ると、柳田は沈痛な面持ちで唇を噛みしめた。 「私はいつも…とにかく!断れば、この店を続けていけなくなるかもしれないんですよ!?店を守るためには従うしかないんです!」 この時、愛斗には分かった。 柳田は、店を守ることしか頭にないのだと。 確かに、店を守ることは第一だし、店がなければ意味がない。 もうこれ以上出資できないと高田が言えば、たちまち愛斗たちはここから追い出されるだろう。 せっかく持った自分の店だと思っていたが、愛斗の思い通りにはならないのだろうか。 それでも…。 「俺の…俺の信念や思いなんてのは、どうでもいいのかよ…」 愛斗は絞り出すように声を出した。 「そんなことは言っていません。高級なメニューを出す店に変えていくべきだと…」 「高田さんが言うからだろ!?メニューを全部変えるとなったら、大変じゃないか。それに、今まで来てくれたお客たちはどうするんだ!」 こんな風に、柳田に対して声を荒げたのは初めてだった。 柳田も愛斗に怒鳴られてショックだったのか、しばらく返す言葉がなかったようだ。 そして、もう帰ろうかと愛斗が思っていたところに、スーシェフの荒川がやってきた。 「今の話、本当なんですか?」 「まだいたのか…」 驚いた愛斗が口を開いた。 他のスタッフたちは既に帰ったものと思っていたが、彼は残っていたようだ。 コンセプト変更の件はまだ他のスタッフには伏せて置こうと思っていた愛斗は、溜め息を吐く。

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