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第25話
コンセプト変更の件で柳田と口論をしているところを、スタッフの1人に聞かれてしまった!?
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「たまたま聞こえてしまったんです…。うちの店、高級志向にするんですか?」
「決まったわけじゃない」
「でも…」
納得がいかない様子の荒川に、柳田が口を開く。
「スポンサーから、コンセプトを高級志向に変えるように指示がありました。しかしまだ決定はしていないので、動揺はしないでください」
実に冷静な説明だった。
「で、でも…」
もし高級に転向するとしても、その準備も大変なものになるだろう。
スタッフが心配するのも最もだ。
「他のスタッフたちにも、この件はまだ内密にしてくださいね」
有無を言わさない柳田の言葉に、荒川が頷いた。
「分かりました…。じゃ、帰ります…」
そのまま荒川はその場を後にした。
「取り敢えず、シェフもスタッフたちに洩らさないようにお願いします」
それだけ言うと、柳田も一礼してから帰っていったのである。
この日は良い気分で店に来たはずなのに、どうしてこうなるのだろうか。
朝には愛斗の車で出勤してきたため、帰りも柳田を送ろうと思っていたのだが…。
彼はタクシーをつかまえて帰ってしまったらしい。
「せっかく帰りも送りたかったのにな…」
柳田と少し近づけたと思ったのに、また遠くなってしまったような気がする。
コンセプトの件もどうすればいいのか分からないし、愛斗の胸はズキズキと痛んだのだった。
一体どうすればいいのか、悩む愛斗はしばらくその場に立ち尽くす。
次の日から、柳田は愛斗と必要事項以外話さなくなった。
これまでも距離を取られていたようには感じていたが、さらに話すことが少なくなったのだ。
おまけに、「○○○とマネージャーが言ってます」と他のスタッフ伝いに聞かされる始末。
そして柳田の態度についに、愛斗の怒りが爆発した。
”いい加減にしろ!”と言ってやりたいと思っていた矢先…。
愛斗がふとフロアの方に目を向けると、見知った人物の姿に気付いた。
もう、とうの昔に記憶の奥底に封印したはずの人…。
他人の空似かと思ったが、どう見ても本人だ。
『なんでアイツが…』
わざわざ訪ねてきたわけじゃないだろう。
きっと、たまたま立ち寄ったのがこの店だっただけだ。
あの人は、ここが愛斗の店だと知らないのだから。
それでも、愛斗の胸はざわついた。
ランチタイム、その人は一人で来ているらしい。
飲料メーカーに勤めていると言っていた彼は、スーツ姿だ。
以前と変わらない様子に、チリチリと愛斗の心が疼(うず)く。
どうして今さら、あの人を見かけてしまったのだろう。
二度と見かけることもないと思っていたのに…。
コンセプトの件に加えて思わぬ人物の来店で、愛斗の心は大いに乱される。
厨房から少し見ていると、視線の先の人物は穏やかな笑顔の柳田に接客を受けていた。
複雑な気分になった愛斗は、雑念を払うように頭を振り視線を外したのだった。
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読んでいただきありがとうございましたm(__)m
スタッフに口論を聞かれてしまった件は、何とか収まったようですね!
しかし今度は、愛斗が知っている人物が来店したようです。
コンセプト変更の件も片付いたわけではありませんが、さて、どうなる!?
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