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第27話
コンセプト変更の件で、未だに方向性を決められずにいる愛斗ですが、今後はどうなる!?
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その日の営業も終わり愛斗が帰ろうかと思っていた時、静かなバックヤードに柳田が入ってきた。
他のスタッフたちは既に帰ってしまっている。
「シェフ、お話があります」
珍しく柳田から声をかけられて、愛斗の心臓がざわめく。
「どうした?」
彼に何を言われるのか、内心ビクビクしてしまう。
「高田様の件で…」
「うん…」
やはり高田の言う通りにしろというのだろうか…そう愛斗は思っていたのだが…。
「シェフの思いも残した案を、高田様に提案できないかと…」
一体どういうことかと思ったら、今のカジュアルな雰囲気やメニューも残して、セレブでも来店できるような高級部門も作ればどうか、と柳田が 言う。
変えるとなると大変な面もあるだろうが、今のメニューや既存のお客を残せるというのだ。
「できるかな、そんなこと…」
「高田様しだいにはなりますが、提案してみる価値はあると思います」
柳田の言葉には確信が感じられた。
「そうだな…良い考えかもしれない。明日、言ってみるとするか」
愛斗が言うと、柳田は少し嬉しそうな顔をした。
しかしすぐに表情を改める。
「すみませんでした、シェフに反対して…。店を…店とシェフを守るためにはそれしかないと思ったもので…」
もし高田に逆らえば、愛斗も店にいられなくなると考えたのだ。
しかしこの一週間ほど、柳田は他の打開策をずっと模索していたらしい。
柳田があまり話さなかったのは、それも理由だったようだ。
「シェフがこの店を大事にしてきたのはよく知っています。だから、この店らしさも残せたらと思ったんです」
高級路線のメニューを作るのは楽ではないだろう。
でも愛斗にとって、シェフとして成長する機会かもしれない。
「そっか…ありがとう。明日、許可もらえたら早速動くか」
「そうですね」
柳田との間にあったわだかまりが、少し解けたような気がした。
もし彼との関係がそのままでも、わだかまりがなくなるだけでも良かったと愛斗は思う。
そしてなんとなく、こんなことも脳裏をよぎった。
『また、こいつのタメ口が聞ける日は来るのかな…』
翌日のランチ営業の後、高田が来訪したので客席を利用して話し合いの場を持った。
高田の隣にはその秘書が座り、高田の向かいに愛斗、その隣に柳田が着席する。
愛斗は柳田が提示してくれた案を高田に相談してみた。
高田は聞いた後にしばらく渋い顔をしていたが、頷いてこう言った。
「まぁ、高級志向の部門を作るのも良い案かもしれないな。ただ、君にできるのか?今よりもグレードの高い料理が、作れるか?」
店ではずっとリーズナブルな料理を作って来たが、それでも高級な料理を作れないわけでもない。
「はい。高級店で働いていたこともありますし、自信はあります」
愛斗の態度は毅然としていた。
「そうか。VIP用の席を設けるのであれば、私のお客もお招きできるな。良い案を考えたものだ」
考えれば簡単なことだと思うが思いつかなかったから、柳田には感服する。
「これはここにいる、柳田の案なんです」
正直に愛斗は、隣に座る柳田の方を見た。
「ほう、そうだったか。でかした。良いマネージャーを持ったものだな」
「はい、私もそう思います。それで、一つお願いがあるんですが…」
愛斗の言葉に、高田はぴかりと目を光らせた。
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読んでいただきありがとうございましたm(__)m
高級志向の部門を作る案を提案した愛斗は、柳田の案であると素直に白状。
さらには1つの願いがあると言い出したのだが!?
愛斗の言い出した願いとは、一体何なのか…。
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