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第36話
亘から守ってくれた柳田が、話があると言ってきて!?
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愛斗の部屋に辿り着き、柳田を招き入れる。
なぜか分からないが、愛斗はいつもとは違う緊張感を覚えていた。
「もう、待てない…」
部屋に入るなり、柳田が熱っぽい視線を向けてくる。
すると愛斗が考える間もなく、両手首を掴まれて体がドアに押し付けられた。
「…」
あまりの驚きに愛斗が言葉を失っていると、柳田の顔が近付いてきて唇が重なった。
「!?」
思わず柳田を離そうとするが、強く抱きしめられており敵わない。
そうしているうちに、愛斗もキスに心地よさを感じるようになった。
『ヤバい…こいつ、何でこんなにキスが上手いんだ?』
そんなことを考えながらも、キスは深くなっていき止まらなくなる。
『っていうか…待てないってどういう意味だ!?』
キスに没頭しトロンとした意識の中で、ふと疑問が湧いた。
柳田の舌は愛斗の口内を堪能し、舌同士を絡め合わせてくる。
『気持ち良すぎる…なんて気持ちいいんだ…』
初めて味わう蕩けるようなキスに、愛斗は夢中になった。
しばらくして柳田の唇が離れていき、愛斗が彼に視線を向ける。
少し名残惜しい気持ちがあったからだ。
すると二人の視線がぶつかり、胸が大きく鼓動した。
「な、何でこんなことをするんだ?待てないって何だよ」
愛斗が顔を真っ赤にしながら問う。
「君が好きだ。愛してる」
心を射るような目で柳田が発した言葉に、愛斗は意表を突かれた。
「は!?」
彼は今、何と言った?
別の言葉が、自分の都合の良いように変換して聞こえただけなのか?
「ずっと前から、君を想ってきたんだ」
「そ、それって…マジ!?」
「あぁ。君しか見えてない」
柳田からの告白を聞いて、愛斗はポカンとしてしまう。
事実なのだろうが、まだ信じ難いのだ。
「君が俺を同僚として信頼してくれているのは分かってる。君にとって俺は、それ以下でもそれ以上でもないことも…」
柳田はいささか沈んだような表情になり、目を伏せた。
ここまで言われたのに、拒否することはできなかった。
「お、俺も!お前が好きだ!」
勢い良く愛斗が告げると、柳田は目を丸くして驚きの表情を見せる。
「シェフ…」
「シェフって呼び方はここでは止めてくれ。俺も…ずっと前からお前しか見てないよ…」
柳田の目を見つめると、愛斗の身体は優しく彼の腕に包まれた。
「ってかさ、なんで亘がここに来てるって分かったんだ?」
リビングのソファーに移動した後で、愛斗が尋ねる。
「少し前から、店の前で怪しい車がウロウロしていたんだ。 その車がどうしても気になって、GPSを取り付け監視してた」
怪しい車なんて気が付かなかった。
「マ、マジかよ…」
怪しい車にうろつかれていたことにも驚愕だが、GPSで監視していたなんてどれだけ有能なのだろうか。
しかも柳田は、亘やその周辺について秘密裡に探っていたらしい。
柳田によると、亘は実はヤクザの組員であり、勤め先と言っていた会社は
しのぎで運営している会社だった。
亘が所属しているのは勢力の大きなヤクザで、店1つ潰すことは容易いという。
そんな話を聞いて、愛斗はますます驚愕する。
付き合っていた頃からどこか危険な香りがする男だとは思っていたが、愛斗にはその実態は隠していたようだったから。
まさかホンモノのヤクザだったとは…。
柳田は亘の正体を知った後に愛斗に一早く知らせようとしていたが、その矢先に今日の出来事が起こったのだ。
「ごめん…勝手な行動をして…」
「いや、いいんだ。俺のためにしてくれたことだろ?」
愛斗の質問に、柳田はコクリと頷いた。
「しかしびっくりしたな…気付かなかった俺もバカだけど…。でも最近はずっと何もなかったのに…」
「敢えて、鳴りを潜めていたのかもしれない。まぁ、単に忙しかっただけかもしれないけど…」
そう言うと、柳田は手を伸ばしてきて愛斗の髪を愛おしそうに撫でた。
「何事もなくて良かった…」
今までにないほど優しい声で言われて、愛斗の心はキュンと疼く。
「う、うん…。今日はありがとう…助かったよ」
「ここに来る前に電話もしたんだけど…繋がらなかったから直接来たんだ」
慌てて愛斗がスマホを手に取ると、充電切れになっていた。
「あ…ごめん。充電なくなってた」
「いいんだ…君さえ無事なら…」
柳田の唇が愛斗の額に押し当てられる。
「お前があんなに強いなんて…知らなかった…」
「日頃から鍛えてたんだ。君を、守りたいと思って…」
そんなこと、全然知らなかった。
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読んでいただきありがとうございましたm(__)m
ついにキスをして想いが重なった2人です!
このまま幸せになれればいいですね(^^♪
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