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第4話 ラブラブカップルばく進中!!

【おはよう有くん】 【おはよう、海斗さん♡】 【昨日のデートは楽しかったね。リスみたいに頬を膨らませてお寿司を食べる有くん、最高に可愛かったよ】 【可愛いなんてそんな♡ 俺も昨日のデート、めっちゃ楽しかったよ! お寿司も最高に美味しかった!】 【それは良かった。今度はウニとイクラと大トロ、もっと食べさせてあげたいな。また別の良さそうなお店も見つけておくね】 【え~嬉しい! 楽しみにしてるね♡】 【俺も楽しみにしてるよ。今日も大好きだよ。早く君に会いたい】 【俺も大好き!】 「へへへ……♡」  バイト先のカフェの厨房の奥。椅子に座った俺は、スマホの画面に連なったメッセージのやりとりを眺めて頬をゆるませた。  超イケメン・海斗さんと出会い、付き合い始めて早五日。  昨日は仕事終わりの海斗さんと待ち合わせをして、お寿司屋さんデートを満喫した。しかも回らないお寿司屋さん! めっちゃ高い店! もちろん全部海斗さんのおごり!! 「はあ~~ほんっと最高」  超イケメンで、優しくて、紳士で、お金も持ってて。  弁護士をしている海斗はきっと仕事も忙しいはずなのに、こうしてマメにメッセージもくれる。  まさに理想の彼氏!  ――でも唯一の不満は……。 「いつ抱いてくれるんだろ~」  もう二回もデートしてるのに、エッチな雰囲気にちっともならないのだ。  昨日だって車の中で手を繋いだだけだし。チューくらいはすると思ってたのに、全然だし。  これは俺にとって考えられない事態だった。  俺はエッチが大好きで、一週間に三回はエッチしたい人間なのだ。  最近は三か月くらい彼氏はいなかったけど、その間は五人のセフレと順番に週二回以上は絶対ヤってた。  それがここ約一週間、ずっとご無沙汰状態。  ――――あ~~早くエッチしたい~~!!  自分の身体を自分で抱えてもだもだしていると、横から冷たい声が降ってきた。   「有……。さっきからうっせえんだけど」  シンクの前で食器を片していた泰介が、思いっきり顔を顰めていた。  泰介も俺と同じオメガだが、彼氏もセフレもいないお固いオメガだ。 「ん~? なにぃ? 俺が幸せオーラ放ちすぎて、嫉妬しちゃってる~?」  ふにゃりと笑いながらわざとスマホ画面をチラつかせると、泰介はぴくりと眉を跳ね上げた。 「いや、別に嫉妬なんかしてねぇけど。つーか、お前マジであの人と付き合ってんの? 正気か?」 「ちょっとひど~い。何その言い方。正気って!」 「だっておかしいだろ。あんなイケメン、初対面のカフェで声かけて、いきなり連絡先聞いて、デートして、告白とか……マンガかよ。そんなうまい話ある?」 「あるし!! 現にその話の体験者がここにいるし!!」  俺はぷくっと頬をふくらませた。 「ほら~そうやって疑ってるから、泰介はいっつも恋のチャンス逃すんだよぉ?」 「いや絶対裏あるって、裏。アレだよ、金持ちのイケメンってだいたい性癖こじらせてんだよ」 「え、それはちょっと興味あるかも……♡」 「……おまえはなぁ!」  呆れる泰介の視線を受け流して、もう一度スマホに視線を戻す。  すると、ぴろん♪ とちょうど新しく海斗さんからのメッセージが届いた。 【今度の日曜、空いてる? 可愛い可愛い有くんとデートしたいな】 「きた――ッ!!」  思わず大声をあげてしまい、泰介が焦ったように口に人差し指を「しーっ!」と当てる。 「うっせえって! 客の方まで聞こえんだろ!」 「あ、ごめんなさーい!! でもでも、見てこれ! 海斗さんから!」  泰介はげんなりした表情でスマホを覗きこみ、引きつった顔で首を振った。 「……うわ~、なにこの『可愛い可愛い有くん』って……この人……大丈夫……?」 「ね~! もう照れちゃうよね! 海斗さんったら、ほんっとに俺のこと好きなんだから~可愛い~」    へらへらと笑いながら、すぐさま返信を打つ。 「【もちろん空いてるよ! どこにでも連れてって♡】、っと!」  ぴろん♪ とすぐに返事が返ってくる。 【ありがとう、楽しみにしてるね】  続けざまに、ちい〇わのスタンプが送られてくる。  俺が『最近このアニメにハマってて~』と話したことを覚えててくれたのだ。  さっそく使ってくれるなんて、俺のことどんだけ好きなんだろ~~!?  ――はぁ~やっぱ海斗さんって最高~♡  夢見心地でスマホを握りしめる。  しかしそのとき、泰介がポツリと言った。 「……ありえないくらい出来すぎた話には、何か裏があるって、昔から相場が決まってんだよなぁ……」  俺はそれをふふん♪ と鼻で笑って聞き流した。  だって、今度の日曜日のデートのことしか頭にないもん♡

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