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春を告ぐ場所3
翌日。9時にイジュンがホテルに迎えに来てくれた。今日はまず俺の家具を見に行く。昨日、イジュンに教えて貰った韓国の大手家具屋。ネットショップもあったけれど、ベッドはマットによって寝心地が違うし、自分に合う合わないがある。それにイジュンいわく、韓国は適当だったりすることもあるから、自分の目で見て選ぶのが一番だし、保証のある家具屋で買うのが一番だということで、アパートからそんなに離れていない大型家具店に見に来た。
「うわ。広いな」
「ベッドは……あっちか」
店内の案内板でベッド売り場を探して行く。行った先には、昨日ネットで見たベッドがいくつか置かれている。韓国のベッドはとにかくシンプルだ。それに安い。
「日本でベッド買うより安いな。こんなに安いと思わなかった」
「もっと安いところあるよ。ここは少し高め。でも品質はいいから、長く使うことを考えたらここはおすすめ」
あー。韓国は|ケンチャナヨ《大丈夫》の国だって韓国語を教えてくれていた先生が言ってた。だから手抜き工事とかあったりするらしい。それは当然、内装や家具にも影響する。だからイジュンは内装工事はできるだけ立ち会っていた。だから内装は手抜きではないはずだ。内装工事や家具で手抜きだなんて日本では考えられないけど、所変われば……ってやつだな。
「明日海はどんなベッドがいいの?」
「シンプルなやつでいい。マットレスは硬めで……ベッドフレームはこんな感じでいいかな?」
そう言って俺はシンプルな木目調のベッドフレームを指さした。
「シングルでいいの?」
「ロフトに置くつもりでいるからセミダブルでもいいかな」
「じゃあこれか。次はマットだね」
「うん」
そんな感じでサクサクと選んでいく。ベッドフレームは大体シンプルなものばかりなんだから、そんなに選ぶほどのものはない。選ぶとしたらマットレスだ。マットレスが並んでいるところでまずは手で触って座ってみる。その中で良さげなマットレスに1度寝転んでみて良さげな硬さのマットレスを選んだ。
「これがいいかな」
「じゃあ次は机か」
パソコン作業があるから机は必要だ。
「机はどんな感じがいいの?」
「さっきのベッドフレームに合う感じの木目調のものでいい。片方が本棚になってるといいな。本を置きたいから」
マーケティングの本とか学校で使ったテキストとかを日本から送って貰うから、パソコン作業をしながら本を見たいから本棚にわざわざ立つよりも座ったまま取りたい。
「じゃあこの辺じゃない?」
イジュンに言われて見ると、まさしく俺が思い描いている机があった。
「そうそうこれ! 机はこれでいいや。後は長時間座っていても疲れない椅子だな。オフィスチェアとかがいいかな。アーロンとか……さすがにないか」
「輸入物はさすがにないけど、オフィスチェアならあるから座ってみたら?」
「うん」
そうイジュンに言われたので、俺はいくつかのオフィスチェアに座ってみて、これだ! というのを選んだ。
「明日海ってあまり悩まないんだね」
「そんなことないよ。ただ、今日はどんなのがいいってあらかじめ決めてあったから早いだけで」
「そっか。ここまで来たからお店のイートインスペースに置くテーブルとか見ようよ」
「そうだな」
俺の家具選びが難航すれば、お店から近い家具屋通りで見るつもりだったみたいだけど、俺はパパッとここで選んだのでお店用のテーブルと椅子もここで見ることにする。
「パイプ家具もシンプルでいいかもだけど、カフェを意識して木目調のっていいと思うんだよな」
「それは俺も賛成」
その辺は意見が一致したので、後は選ぶだけだ。木目でもシンプルな物がいいとか色々と意見を出し合いながら、なんとかイートインスペースのテーブルと椅子も選ぶことができた。
配送はイートインスペースは明後日の昼間。俺の部屋は明後日の夕方にして貰った。
「結構サクサクと選べて良かった」
「家具屋1店で済んだからな。さて、明日も忙しいな」
「昼から夕方まで潰れるから、布団は今日のうちに買いに行こうか」
「うん。どこで売ってるの」
「布団なら、|南大門市場《ナンデムンシジャン》とか|広蔵市場《クァンジャンシジャン 》かな」
「広蔵市場か! そしたらイートインスペースに飾る雑貨を買いに行くついでに広蔵市場行こうよ」
イートインスペースに飾る雑貨は鐘路の本屋さんにあるから、そこに行くつもりにしていた。鐘路から広蔵市場は近いからいいかもしれない。
「明日海も少し地理覚えてきたね」
「前回、結構歩いたし、日本で地図も見てきたし、持ってきたしね。だからなんとなくのは頭に入ってる。と言っても有名なところだけだけどね」
「それで十分だよ。よし、じゃあ鐘路に行こう」
そう言って俺達は車で鐘路に向かう。ソウルは地下鉄が発達してるから都心部であれば車はいらないとも思えるけど、今日は地下鉄だと乗り換え必須なところばかりだし、布団を買うことを考えると車が便利だから、イジュンのお父さんに感謝だ。
車の中では、どんな雑貨がいいかとかを話しながら鐘路へと向かった。
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