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笹森くんはナニでできているの? 10

 大人しいグループの中にいる笹森と、素行不良のグループにいる自分とが親しくしていた場合、お互いのグループが引き剥がしにかかるかもしくは教師を呼ばれてしまう。  そんなお互いのグループに対して不可侵を貫くような傾向があったからだ。 「だから、僕は……タイジロで……」  いじましく日々慰めていた と?  そう読みとって、神崎は胸がもぞもぞする感覚に気が付いた。  いや、もやもや?  いやいや、こちょこちょ?  なんにせよ、なんと言うかくすぐったいと思う。  神崎はその感覚に背中を押されるようにして、頭を掻きつつぶっきらぼうに言い放った。   「おい。タイジロは捨てろ」 「っ⁉  ぁ。あ……神崎くんでもそれは  聞けな  」  再びぼろぼろと泣き出した笹森の涙を掬ってぺろりと舐めてみる。  どうしてだか、酷く甘い。 「か、かんざ   」 「本物があんだから、間に合わせのちっさいタイジロはもういらねぇだろ」  掴んだままの、卑猥な形の物体を左右に振る。  笹森はちょっと泣きそうな顔をしてその左右に揺れるタイジロを眺めてはいたけれど、繰り返し神崎の言葉を確認する様子を見せて……  神崎がこくんと頷いて見せるとその表情がぱぁっと明るくなる。 「  わかった!」    意を決した声を上げて神崎へと飛びつく。 「タイジロはお役御免でいいんだよね⁉」 「わっ重いって」 「えっ僕、重い⁉ じゃ、じゃあ騎乗位とか駅弁とか  」 「ムリムリ、腰が死ぬ」 「ええっ」    未だ目の縁に涙を溜めていた笹森がショックを受けた顔をするから…… 「嘘だって。なんだってやってやるよ」    神崎は苦笑しながら笹森の目尻に唇を寄せた。    花の匂いと、甘い味。      どうやら笹森は、花と甘いものと、それからエロいもので出来ているらしい。 END.

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