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第14話
夕方、スケッチブックを買いに画材店へ行き、その帰りに亮太と行ったスポーツ用品店をのぞいてみた。
亮太が欲しがっていたサッカーユニフォームのレプリカが置いてある。
入荷されたんだ。亮太に知らせなきゃ。
あ、でも店から連絡いってるか。
また、一緒に出掛けられる。
今は部活で忙しいから無理かな。
買って行ったほうがいいかな。
どうしよう。
考えを巡らせたが、今日は帰って亮太に確認してみることにした。
家に帰る道中、浴衣姿の人たちとすれ違う。
今日は、やたら目に付くと思っていたら『花火大会』の看板を見つけた。
近所でもその花火大会目当ての屋台が出ている。
小さな神社で祭りもやっていた。
人混みが苦手なサトは、行ったとしても、出店の食べ物を買ってさっさと帰ってしまう。
亮太は、毎年友達と行っていた。
今年も行くのかな。
マンションのエントランスで、母とぶつかりそうになった。
「どうしたの? 慌てて」
「サト、もう電話したんだから、出なさいよ!」
そうだ、なんか鳴ってたけど、家からだから無視していた。
「おばあちゃんが、具合悪いって言うから行ってくるわよ。もう熱中症かしら」
僕のおばあちゃんは、元気な人で、多趣味な人だ。
色んなことをして、少し張り切って、疲れてしまって、今日みたいに母がおばあちゃん家に急に出向くことがある。
きっと祭りにでも行ったのかもな。
「夕飯、適当になんか買ってちょうだい。また連絡するからスマホみといてよ!」
そう言って、足早に行ってしまった。
慌てている母の背中に「母さんも気を付けて」と言葉を送る。
しばらくその場で考える。
このまま、どこかに買い物に行こうか……。
亮太は、誰かと出掛けているだろう。
……家にあるカップラーメンでいいか。
と踵を返そうとしたときに、声を掛けられた。
「おっ、サト! 出迎えご苦労!」
亮太は、両手に袋をぶら下げていた。
あたりは暗くなってきていて、日焼けした顔の亮太が一瞬わからなかった。
「りょう、りょうた、おかえりなさい」
「さっき、おばさんとすれ違って、聞いたよ。うちでメシ食おうぜ」
と袋を顔の位置に掲げた。
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