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第17話
サッカー予選の第2回戦。
スケッチブックを持ったサトの横を同じクラスの亮太と仲の良い男子が通り過ぎた。
確か、橋本とかいう名前だったはず。
橋本の隣には、近くの女子高の制服を着た女子も一緒に居る。
ベンチの近くに行き、「亮太」と手を振っている。亮太も手を振り返していた。
他校の女子が亮太に手を振っていることが面白くない同じクラスの女子たちが、ヒソヒソ話をしながら睨みつけていた。
そんな様子を知ってか知らずか、余裕の顔でまた手を振っている。
なるべく知った顔から離れようと思っていたのだが、席が埋まってしまって動けなくなってしまった。
(今日は、絵を描くのはやめておこう)
すぐ近くで、橋本と女子高の生徒が話している。
「あれ、それって、この前買いに行ったやつ?」
女子生徒の鞄には、ユニフォームを着たクマのぬいぐるみがついていた。
「そうそう、買ってもらったの。あと、ユニフォームも買ってたよ」
「ああ、レプリカな」
「……っ」
買い物。この子と行ったのか。
そうか……。
モヤモヤとした気持ちから、この後の会話で、一気にどん底に落ちていった。
「付き合ってどれくらいだっけ」
「まだ1か月くらいだよ」
「どうやって知り合ったんだよ」
「サッカー部の人が紹介してくれた。一目ぼれって言われちゃた」
うふふ。と軽やかに笑う彼女に、ちぇっと舌打ちした男子生徒。
その後のことは、よく覚えていない。
気が付いたら、家に着いていた。
覚えているのは、今日の試合も亮太は出ていなかったということと、彼女が出来たということだった。
試合は、勝ったらしいことは帰りの雰囲気で察した。
もう、行かなくてもいいかな。
いつの間にか、頬が涙で濡れていた。
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