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第18話

 *****    美術部では、そろそろ市主催の美術展覧会に向けて動き始める。  個人でテーマを持って、応募するのだ。  絵、彫刻、陶芸。  それらが全て展覧される。  学校だけでなく、企業も参加する大きなイベントで、応募された制作物は、有名な評論家やプロからの視点で評価される。  そして、優秀な評価がついた作品は、市内のあるゆる場所に展示される。  大きな芸術のイベントになっている。 「テーマ、タイトル決めたら、紙に書いて出してくれ」  部長が一人一人に用紙を配って歩く。    あれから、サトは空っぽになっていた。  しばらく絵を描いていない。  亮太の絵を描いていると、涙が溢れてくるからだ。 「サトくん、大丈夫? 最近、絵描いてる?」  京香が心配して声をかけてくれる。 「ああ、はい」  描いていない。  何を描いたらいいかわからない。  京香が、校庭に行こうと誘ってくれた。  外でスケッチすれば、何か描きたいものがでてくると言われて。  練習をしている亮太を見つける。気付いた亮太が軽く手をふってくれた。  きらきらとした彼の笑顔に胸がときめく。  でも、苦しい。  ふと、校庭の外を見ると、あの女子高の彼女がサッカー部の練習を見ていた。  他校だから校内には入れない。だから、外から見ている。健気に見ている姿に苦しくなる。  彼女なんだ。  付き合っている。  僕なんかがかなうわけないだろう。  見ていたいけど、見られない。  見つめられたいと思うのは、好きな人にだけだから。 「京香先輩、ありがとう。僕、部室で描きます」  そう言うと、サトは校舎の中に入って行った。  

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