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第28話
花火が上がった。
サトも窓を見る。
同じ行動に笑いあった。
確かめたい……。
どうしたらわかる?。
「花火……昔は見えてたのに。見えなくなっちゃったよ」
サトの悲しそうな表情になんとかしてあげたくなる。
自分の部屋からも、ほんの少ししか見えないのに、声をかけていた。
本当に、端っこの少ししか見えない花火。
それでもサトの横顔は、嬉しそうに微笑んでいた。
胸の奥がキュンとする。
すぐ横にいるサトの温もりが伝わってくる。
……おかしな気持ちになった。
サトは、俺のことどう思ってるのだろう。
俺のシャツに顔を埋めて興奮していた、それは俺のことが好きってことだよな?
いつも俺の絵ばかり描いてるし。
AO1のキョウヤに似てるから?
花火の音が聞こえる中、薄暗い部屋の中で、サトの表情は困っているように見えた。
「キョウヤが俺に似てるって言ってたじゃん? あれってホント?」
「……」
戸惑いながら頷いて、視線を外された。
それが、すごく嫌だった。
――俺を見ていて欲しい。サトに見つめられたい。
「予選が始まるから、試合出られないかもしれないけど、見に来てほしい」
そう言うと、真っ直ぐ見つめ直して「もちろん、もちろん行く。亮太を描くよ」
そう言ってくれた。
大きな花火が上がった。
花火の明かりに照らされたサトの顔は、とても綺麗だった。
サトが家に帰り、自室のベッドで横になる。
花火をのぞいていた窓の方に視線をやり、さっきのやりとりを思い出していた。
サトの肩や腕の温もりと間近に寄った顔。
スケッチノートを取り合った時に触れた背中。
俺のことを見る熱い眼差し。
そして、前に脱衣所で見たサトの白い肌。
沸き起こった昂りを慰める。
あぁ……暁士……。
欲望を吐き出した手のひらを見つめる。
俺はサトが好きだ。
触れたい。今日の温もりを思い出して、サトを抱きしめたくてしょうがなかった。
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