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第31話

 今回、一年生で選手に選ばれたことは、地元では、ローカルの新聞やテレビなどで知れ渡っていた。  もちろん他の高校でも同じように一年生で選手となった生徒は注目が上がっている。  浮ついていたわけではなかったけど、集中力に欠けていたのかもしれない。    サッカー予選の2回戦試合。  相変わらず暑いが、時折涼しい風が吹いて、心地よさが加わる。 「亮太」と同じクラスのいつもつるんでいる友達、橋本に声を掛けられた。  隣にゆきちゃんもいた。  田中と橋本は同じ中学だった。  二人きりでデートした時に、橋本と偶然に会って、暇を持て余していた橋本が二人をお茶に誘ったらしい。  邪魔するなよ。と言いたいところだが、田中は、『暑くてさ、お茶が飲みたかったから奢ってもらった』とゲンキンなことを言っていた。  橋本とゆきちゃんは、誰とでも気さくに付き合える人柄のようだ。  こうして、橋本と他の友達も引き連れて、応援に来てくれた。  田中は、ゆきちゃんしか見えていないようだ。デレデレしてる。 「じゃ、亮太頑張って」  そう声をかけられ、手を振り返す。  そこで、サトが近くにいることを知った。  今日も来てくれた。  大きなカバンを下げたサトは、身を狭くして、座る場所を探している。  スケッチブックが入っているのだろう。  今日は、試合に出られるといいなと気合が入った。  

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