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第35話
部活の帰り、田中とゆきちゃんと三人で駅前まで歩いていた。
ゆきちゃんは電車通学だ。
学校は、近くだから、ゆきちゃんはよく部活の練習を見に来ていた。
どうやら、二人は、とてもうまくいってるらしい。
バス通学の俺も歩いて、田中はチャリを押しながら、ゆきちゃんの隣を歩いていた。
夕方ともなると秋の空気に肌寒さを感じる。
秋だね。という言葉に食欲の秋。なんていう言葉が続く。
「俺、栗ご飯が好きなんだ」
田中の言葉に、ゆきちゃんが「今度お弁当でつくってあげる」と言っている。
お熱いことで……。
田中が駐輪場に行ってる間、二人で駅に向かって歩いていた。
この後、ゆきちゃんと田中は駅ビルのファーストフードで食べてから帰るらしい。
駅前のバス停留所にはまだバスが来ていない。
時間を確認しようとスマホを取り出した時に、ゆきちゃんが話しかけてきた。
「亮太、大丈夫? 最近落ち込んでいる?」
「えっ?」
突然そんなことを聞かれて、戸惑った。
「なんていうか……、上の空っつうの? から元気? って感じ」
これがいわゆる女の感とかいうやつなのか……。
「私さ、お姉ちゃんがいるんだけどね……」
と、ゆきちゃんの身の上話が始まった。
――6歳離れている姉は、最近やたらと冷たい。歳が離れているから、いつも仲が良いという感じでもなかったけど、何も言わずに視線だけが冷たいのが嫌だった。髪型とか化粧の仕方とか洋服を借りたとかで機嫌が悪いだけだと思っていた――。
「だからさ、意味わからんから聞いたのよ! そしたら、彼氏できたことが心配なんだって!」
うざーい。と言って笑う。
「でもさ、聞かないとわからないもんなんだね。……心配とかしちゃうんだって……姉妹なんてさ一番近いから、わかったような気持ちになってたけど」
(一番近くにいる存在か……)
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