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◾️第6章 今日だけ、魔力で深く繋がっていて

夏の合宿が始まった。 魔法学園の山中施設。魔力の流れが濃密なこの場所は、普段より感情と欲望が暴走しやすいと警告されていた。 俺はそれを、むしろ期待しながら参加した。 夜の共同訓練室。 今日の課題は「深層共鳴」――互いの魔力を深く重ね、感情や思考の一部を共有する高度な制御練習だった。 「七瀬と神崎先生のペアで始める」 講師の指示で、俺と透は向かい合って座った。 薄暗い部屋に、淡い魔力の光だけが揺れている。 「目を閉じろ。俺の魔力に身を委ねるんだ」 透の低い声が響く。 俺が目を閉じると、すぐにうなじに彼の指が触れた。 「……っ」 その瞬間、いつもより深く、熱い魔力が一気に流れ込んできた。 まるで血管の中に直接溶け込むような、ねっとりとした侵入感。 「あ……んっ……先生……」 「静かに。集中しろ」 透の魔力が俺の体内を巡り、徐々に深層へ潜り込んでいく。 すると―― (……先生の匂い……近くて、甘い……) 俺の思考が、透に漏れ始めた。 透の指がわずかに強くなる。 「七瀬……お前の欲が、丸見えだぞ」 「え……っ」 恥ずかしさが込み上げるが、同時に甘い興奮が腰の奥を疼かせる。 透の魔力がさらに深く絡みつき、今度は透の感情の一部が俺に流れ込んできた。 (……この生意気な生徒……可愛い顔で俺を欲しがる姿が、予想以上に刺激的だ) 透の内心が聞こえた瞬間、俺の魔力が激しく跳ねた。 「先生……っ、俺の考え……全部、見えてるんですか……?」 「今はな。……お前がどれだけ俺を欲しがっているか、痛いほど伝わってくる」 透の声が耳元で低く笑う。 指がうなじの敏感な部分をゆっくりと円を描きながら、魔力を注ぎ込む。 「あぁ……っ、んん……!」 内側がとろとろに蕩け、蜜穴のように熱く締め付ける感覚が広がる。 思考がさらに漏れ出す。 (先生に……入れてほしい……奥まで、先生の魔力で掻き回してほしい……) 「っ……!」 透の息が一瞬乱れた。 「大胆なことを考えるな、七瀬。……まだダメだと言っているのに」 「でも……先生……もう、我慢できない……」 俺は目を開け、透の瞳をまっすぐ見つめた。 「入れて……ください。先生の、俺の中に……」 露骨な懇願。 透の銀縁眼鏡の奥で、欲望の色が濃くなる。 「我慢しろ」 そう言いながらも、透は俺の体を魔力の糸で軽く拘束した。 見えない糸が両手首と腰を優しく、しかし逃げられない強さで固定する。 「んっ……あ……先生、これ……」 「今日だけ、深く繋がっていろ。……お前の欲がどれだけ淫らなのか、俺に教えてみろ」 透の魔力が一気に深く、激しく俺の内側を這い回る。 感覚共有が強まり、透の興奮までが俺に流れ込んでくる。 「あんっ……! はぁ……っ、あぁん……!」 俺の声が、普段より甘く、メスっぽく変わっていく。 初めて出すような、蕩けた喘ぎ。 「先生の魔力で……奥が、とろとろに……溶かされてる……っ」 「その声、いいな。もっと鳴け。俺の名前を呼びながら」 「透……先生……っ、もっと、刻み込んで……俺を、先生の専用に……して……!」 魔力の糸がきつく締まり、俺の体を完全に支配下に置く。 触れられているのはうなじだけなのに、全身が透の魔力で犯されているような快感。 透は俺の耳元で、熱く囁いた。 「壊れたいのか? そんなに俺に支配されたいのか?」 「……はい……っ、先生のものになりたい……壊しても、いいです……」 その言葉を言った瞬間、透の魔力が最大まで高まり、俺を絶頂の寸前まで追い上げた。 「んああぁっ……! い、いく……先生、いっちゃう……!」 「我慢しろ」 再び、ギリギリで止められる。 「やぁ……っ! んんん……! ひどい……また、止めるなんて……」 体が激しく痙攣し、蜜が溢れ、満たされない熱で内側が空しく収縮する。 透は二度、三度と同じことを繰り返し、俺を「いける」と思わせては寸止めした。 思考の共有の中で、俺の羞恥が快感に変わり、やがて受容へと溶けていくのが、自分でもはっきりとわかった。 合宿の夜更け、訓練が終わった後も、俺の体はまだ熱を帯びていた。 ベッドの中で、今日の深層共鳴を思い出して指をうなじに這わせる。 「……先生に、支配されたい」 その言葉を口にした時、初めて自分の中で「支配されたい」という欲求が、はっきりとした形になった。 **** 一方、仁は合宿の部屋で俺の変化を静かに見つめていた。 完全に察していた。 晴が、もう手の届かない場所へ落ち始めていることを。 俺は窓の外の暗い森を見つめながら、独り確信した。 (もう、逃げられない) 先生の魔力に深く繋がった今日、俺は確実に主従の関係へと堕ちていった。 「我慢しろ」という言葉は、もはや指導ではなく、支配の命令へと変わり始めていた。

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