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07. 眠りの前のおしゃべり

 その夜、寝間着に着替えたポフが、ふんわりと毛布の中へ潜り込んできた。やわらかい髪がガシュウの頬に触れる。 「ポフ、もう寝るの?」 「もうそんな時間だよ」  古い掛け時計へ目を向ける。正確な時刻は刻んでいない時計だったが、それでも二人の生活は意外と整っていた。 「お弁当、おいしかったよ。ありがとう。……でも、ガシュウと一緒に食べたかった」    その一言に、ガシュウははっとした。自分のことで頭がいっぱいで、ポフを置いてしまっていた。  ガシュウはポフを抱き寄せた。 「ごめんね、ポフ」 「もう。そんなに謝らないで。半分残してあるから、明日一緒に食べようよ。それにガシュウの分のお弁当は、まだ手つかずでしょう?」 「ガシュウの分もポフがお食べよ」 「ダメ。ガシュウも一緒に食べるんだよ」  ひとりぼっちの食事が寂しいことを、ガシュウは知っていた。 「うん。約束」  おでこをくっつける。  それから少しだけ、ガシュウは今日のことを話した。食事がおいしかったこと。騎士さまと話すのが楽しかったこと。ポフはうんうんと聞いてくれた。  ポフも今日の出来事を話してくれた。  何でもない日常をふたりで話しながら、毛布の温かさに包まれる。  その内うつらうつらしてきて、どちらともなく眠りに落ちていった。

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