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予定はノリで組んでノリで実行するのが一番。ということで、約束した翌日には揃ってレンタルコートに足を運んでいた。
前日の土曜、晃大は午後九時から今朝の五時までバイトだったため、そこから一眠りして、寮を出たのは昼過ぎ。昼食は、電車を降りてすぐのファストフード店で適当に済ませた。
予約を入れていたので受付はさらっと済んで、それぞれ自分に合ったラケットとシューズをレンタルする。あれこれ割り勘するのは面倒臭いので、コートとボール代は晃大がまとめて支払っておいた。
「俺、あとでちゃんと払うけど……」
晃大より三センチほど小さい靴を選んで履きながら、結月がぽそぽそと呟く。
「いいって。おまえは今日、俺に負けて飯奢らなきゃならなくなるんだし」
少しからかうように返すと、結月はわかりやすくムッとした表情を浮かべた。ベンチから腰を上げ、仁王立ちになったかと思うと、ふんっと盛大に鼻を鳴らしてみせる。
「そうやって情けをかけたことを、今に後悔するぞ! 俺は本当に、そこそこ強いんだからな!」
「そこ、毎回ちょっと控えめなのジワるな。普通に強いって言えよ」
やっぱりこいつ、面白いやつだ。晃大も立ち上がり、目を細めて結月を見る。
「そこそこはそこそこなんだ! 俺は、自分の発言には責任を持つタイプの人間だからな!」
「ほんとかよ」
普段の生活態度を鑑みるに、信憑性があるとは言い難い。
コートは十四時から十六時までの二時間で借りているので、ひとまず、6ゲーム先取の1セットマッチで開始する。
公平にラケット回しでトスを決め、勝った結月がコートを選択。晃大は迷わず、サーブを取った。
「そんじゃ、さくっと1ゲームいただきますか――っと」
華麗なフォームで、得意のフラットサーブを打ち込む。サーブだけで1ゲーム終了なんてことも珍しくない、空間を切り裂くような鋭い一撃。が――。
「お、返してきた」
以外にも、結月は俊敏なステップで球を打ち返してきた。
「マジでそこそこやるんじゃん。じゃあ、こっちも手加減抜きで……」
球とラケットが接触するその一瞬、一点に、パワーとスピードを集約する。パンッと爽快な音が響き、綺麗な放物線を描いて球が相手コートに渡る。
グダるのが嫌いな晃大が得意とするのは、息つく暇も与えない高速ラリー。サーブだけで1ゲーム取れたらラッキー。それが無理なら、すかさず電光石火。まどろっこしい駆け引きはなしだ。一人の相手と長く深い付き合いをするのは好きじゃない。
「……って、まだ打ち返してくんのかよ」
これで何ラリー目だ。反射神経と、それについていける身のこなしの軽さ。
――こいつ、思った以上にしぶとい。
だけじゃなく……。
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