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 でも実際、ここのところあんま付き合いよくなかったかもな――と、大学から帰って寮のエレベーターに乗り込みながら、晃大は昌暉に言われた言葉を反芻していた。  昌暉からのカラオケの誘いを断ったのは、五日前の日曜日。昨日、一昨日も誘われたが、連続して断ったうえでの今日の会話だ。それは、付き合いが悪いと言われても仕方ない。  理沙の手料理の件にしても、ありがたいが家賃に含まれている食費が勿体ないからと断っておいた。ぶっちゃけ、それは理由の一つでしかないのだけれど――。 「ただいまー」  自室の戸を開き、一番にチェックするのは玄関の靴。  ――また散らかってきてるな……。  前回一緒に片付けをしてから約一週間が経つので、無理もない。いや、全然無理のある散らかりようではあるのだが、今日明日にでも一緒に片付ければ済む話だ。 「か、帰ったのか……!」  直前までベッドでゴロゴロしていたらしい結月が、はっとスマホから顔を上げた。 「そこは『おかえり』だろ」  苦笑しつつ、晃大はぽんと結月の頭に手を置く。  ここのところ、結月の小生意気なところにも、だらしないところにも、ずいぶんと慣れてきた。さらにいえば、手に触れるこの柔らかな毛の感触にも……。  一度触れたら、しばらくウリウリと撫でていたくなる。無論、男相手にそんなことはしないけれど。  ――や、でも、してたやついたっけ……。  さっと手を引き戻し、晃大は大学の鞄を自分のデスクの横に立て掛けた。 「今日どうする? 食堂、一緒行く?」  何気ない問いかけに、少しして結月が声を発する。 「べ、つに……どっちでもいいけど……」 「ん、じゃあ行くか。今日のメニュー、なんだろな。おまえの好きな肉かな」  話しながら、二人でまた玄関へと向かう。 「んー……でも、ジュリオさんが作る飯はなんでも美味いから」 「言えてる。昨日食った魚料理も超美味かったもんな」  さっき乗ったエレベーターがまだ四階で停止したままだったので、二人して中に乗り込んだ。  一階に着き、食堂の付近に来ると、出来たての料理の美味しそうな香りが鼻腔を擽る。並んでトレーに食事を乗せてゆき、二人で向き合うように席に着いた。 「いただきます」  手を合わせて言うあたり、こういう面はきちんとしている。晃大も「いただきます」と告げて、食事を開始した。  さきほどちらりと確認したホワイトボードによると、本日のメイン料理はサルティン・ボッカ。なにがなんだかという名前だが、ジュリオの作る料理はどれも絶品だ。

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