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「ねえ晃大ー。あんた、また美桜(みお)の誘い断ったってマジ? てか美桜にかかわらず、最近のあんたノリ悪すぎって女の子の間で噂になってるよ」  そんな陰口を堂々と伝えてくれるのは、客として晃大のバイト先によく訪れる二つ年上の金髪ギャル。過去に一度寝たことがあるが、それ以降も店に通ってくれて、こうして気さくに話しかけてくれる。  美桜という子からの誘いを断ったのは二回目……いや、三回目だったか。ワンレンロングの綺麗なお姉さん系で、もろ晃大のタイプだったが、なんだかんだ一度も事には及んでいなかった。 「え、そんな噂立ってんの?」 「うん。だからあたし、言っといてやったから。さんざん女心を弄んだ罰で、あんたEDになっちゃったって」 「おい」  語尾に『笑』がつくようなツッコミをした晃大に、金髪ギャル――華蓮(かれん)も笑いながら冗談だってと肩を叩いてくる。たぶんその冗談は、『本当は言っていない』という意味ではなく、『面白半分でそういうイジリをした』ということを指しているのだろう。つまり、EDネタは実際に使われたに違いない。 「ねえでも、マジでなんでそんなガード固いの? 普通に、飲み歩いてはいるんでしょ? 連れと遊んでるとこ見たって子、いっぱいいるけど」  女の子のネットワークはさすがだ。確かに最近、晃大は倹約なんて似合わない真似をやめて、頻繁に連れと飲み歩いてはいる。しかし華蓮の言う通り、女の子との体の関係はしばらくご無沙汰だった。  どうしてかと問われると、自分でもよくわからない。ただなんとなく、以前のように連れと馬鹿騒ぎすることはあっても、その流れで女の子とホテルへ……という気持ちにはなれないのだ。結局、ただ飲んで騒いでが好きなだけのパリピ大学生みたいな生活を送っている。 「もしかして、本命ができたとか」  「え?」  突如、思っても見ないことを言われて目を瞬いた。 「やだなにその反応。晃大らしくなぁい」  酒が回っているのだろうか。笑いながらバシバシと肩を叩かれる。  むしろ、さっきのに対する晃大らしい反応とはなんだ。即答で「いるわけないっしょ」と笑い飛ばすことか。  つくづく、周囲から見た自分が真面目とは懸け離れた存在であることを理解して、なんとも言えなくなった。適当に笑顔を取り繕っていると、ふいに、華蓮が声を潜めて言う。 「てか晃大、なんかあっちの子ヤバそうじゃない? さっきからめっちゃ口説かれてるけど」  ふっと視線を斜め後ろに投げかけられ、つられてそちらを見るなり晃大は目を見開いた。

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