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 やはり、この状況をなあなあで受け流すべきではない。そう判断し、晃大はベッドに腰掛ける結月のそばへと歩み寄った。さっとその場でしゃがみ込み、見上げるように結月と向き合う。 「さっきはごめん。急に停電なったから、おまえ、困ってるんじゃないかと思って……。迎えに行く途中、たまたま一条さんと出くわしたんだけど、それが運のツキだったっていうか……。なにを思ったのか、一条さんがしつこくタマタマ唱え出して……」  依然、結月は下を向いたままだ。たしかに、この言い方だと言い訳をしているみたいに聞こえたかもしれない。それも、一条に罪を擦り付けて……。  間をおいて、晃大は訂正した。 「いや、違う。俺の責任だ。ふざけてあんな作り話した俺が悪かった。……どこもケガしてないか?」  半袖Tシャツから覗く白い腕などを確認しながら尋ねたが、結月は答えなかった。こうも無言を貫かれると、もうどうしていいのかわからない。怒っているのか、傷ついているのか、羞恥に打ちひしがれているのか、恐怖が拭い切れずにいるのか――どれが正解なんだろう。 「頼む結月、なんか言ってくれ。……それとももう、俺とは口も利きたくない?」  自ら口にした可能性に、胸の奥が締めつけられた。しかしそれと前後して、はっとしたように結月が顔を上げる。 「別に、そんなこと言ってなっ――」  言い切る直前、またピストルをぶっ放したかのような爆音が窓の外で響いた。まん丸な結月の目がよりいっそう大きく見開かれ、眠っていた小動物が飛び起きるような激しさで細い肩が跳ね上がる。 「……びっ、くりしたー。これ、また停電するかもな」  晃大自身、驚きに目を瞬かせながら発した言葉には返事がなかった。しかし今回に限っては、なにも意図的に無視しているというわけではないらしい。反射的に窓のほうへと向けていた視線を戻すと、ついさっき、せっかく顔を上げてくれたはずの結月が、両手で耳を塞いでぎゅっと身を縮めていた。 「結月……?」  だから、呼びかけても無駄なのだ。ぐっと覗き込むように顔を見てみると、聴覚のみならず、視界も完全にシャットアウトされていた。きつく瞼が閉ざされている。 「……」  どうやら、雷が苦手らしい。ただでさえビビっているところを、晃大の法螺話で輪を掛けて怯えさせてしまったがゆえの、あの取り乱しようだったというわけだ。改めて、悪いことをしたと思う。  少しして、そっと手を伸ばしてみた。強張った頬に触れてみると、また小さく肩が揺れる。恐る恐るといったふうに瞼が開かれ、耳を塞いでいた手が下ろされた。 「……雷、苦手?」  尋ねると、ウリッと小さな唇が尖る。ウリウリッ、と目つきも悪くなる。

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